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2016年


放射化抑制機能を持った床材を開発
−先端医療施設・研究施設の床コンクリートの放射化量を低減−

2016年12月12日

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:野村俊明)とロンシール工業株式会社(本社:東京都墨田区、社長:門脇 進)は共同で、放射化抑制機能を持たせた床材(写真1)を開発しました。

放射化とは、主に中性子注(1)により普通コンクリートや金属内の元素の一部が放射性となる物理現象であり、中性子利用施設では、その施設内の人への影響やコンクリート等の放射化による放射性廃棄物の増加が懸念されています。従来の中性子利用施設では、ポリエチレンとホウ酸を組み合わせた材料や研磨剤などに用いられている炭化ホウ素を混入した樹脂材料などを利用して壁に対する放射化抑制対策は実施されていました。しかし、同材料を床に用いた場合、平滑性が損なわれるため床に対する対策は実施されておらず、一般的な床材がコンクリート上に敷かれていました。

今回、両社は、シミュレーション解析によるホウ素化合物の混入量の最適化と床材の製造方法の確立により、施工性を落とすことなく放射化抑制性能を持った床材の製造に成功しました。

本床材の放射化を抑制する仕組みは、床材を構成する樹脂に含まれる水素成分により中性子を減速させ、ホウ素化合物が中性子を吸収し、床コンクリートの放射化を抑制します。施工方法は、特殊技能を必要としないため、従来品と同様の施工が可能です。また、本材料の利用が見込まれる医療施設で使用されるストレッチャーの往来等に対する耐久性も有しております。

コンクリートの放射化抑制性能試験を実施した結果、本床材を敷いた場合、従来の床材を敷いた場合に対しコンクリートの放射化量が約40%低減される事が確認されました(表1)

 中性子はその有用性から、がん治療や材料ナノ解析、水素吸蔵合金の研究等に用いられます。安藤ハザマは、中性子を発生する加速器を用いたBNCT注(2)施設、PET注(3)施設、およびその他の中性子を利用した研究施設の建設に携わっています。今後、同様の施設の建設は増加することが予想されます。両社は、それらに対して本床材の導入を積極的に提案していく予定です。

なお、12月14日(水)〜16日(金)に東京ビッグサイトで開催される「高性能建材EXPO」に本床材を出品いたします。

注1:中性子
放射線の一種。中性子は水素を解析できるという利点から、水素利用の研究に用いられる。一方、物質の透過力が強く、また人体に与える影響も大きいため、安全上、徹底した遮へい・防護が求められる
注2:BNCT
ホウ素中性子捕捉療法。中性子とホウ素との反応を利用して、腫瘍細胞のみを選択的に破壊する治療法
注3:PET
ポジトロン断層法。心臓、脳などの体の中の細胞の働きを断層画像として示す検査法

写真1:開発した放射化抑制機能を持たせた床材

表1:本床材の放射化抑制性能試験結果


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