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2018年


建築物へのカーボンフットプリントとカーボン・オフセットの適用

2018年11月29日

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:福富正人)は、脱炭素社会の実現を見据え、建設事業に関連する温室効果ガスの削減に向けてさまざまな取り組みを推進しています。そのひとつとして、当社設計・施工による「東京貨物ターミナル駅事務所新築工事(写真1)」(発注者:日本貨物鉄道株式会社、所在:東京都品川区、2017年11月竣工)にカーボンフットプリント(注1)(以下、CFP)(図1)とCFPに基づくカーボン・オフセット(注2)を適用しました。

建築物の設計・建設、運用、解体までのライフサイクル全体におけるCO2排出量は、国内全排出量の約4割を占めるといわれています。建築物の省エネ化・低CO2化の取り組みは、削減効果の大きさから運用段階(建物の使用時)では積極的に行われていますが、新築・改修段階については、これまであまり注目されてきませんでした。しかし、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)(注3)の実現・普及、それに伴う建築物の運用段階のCO2排出量の大幅な減少が現実味を帯びてくる中で、次の段階として新築・改修段階でのさらなる削減が重要となります。

削減策立案には、各段階のCO2排出量の把握が必要です。それには、当社が実建築物に初めて適用した(注4)CFPによるCO2排出量の「見える化」(定量化)が有効です。「見える化」により、削減効果の観点から資材、工法などの条件やオフセットの手法等の検討が可能となります。 今回の案件では、発注者の高い環境意識に基づき、CFPの手法により削減効果を確認した上で、建設資材の輸送手段をトラック輸送からCO2排出量が最も少ないとされる鉄道貨物輸送へ変更(モーダルシフト)(注5)する削減策を実施し、その上で、残存する輸送プロセスのCO2排出量をCFP認証により「見える化」し、その排出量分をカーボン・オフセットによりゼロとしました(図2)

CFPによる「見える化」は、発注者・設計者・施工者が連携してCO2排出量の削減に向けて取り組む契機を提供します。今後も安藤ハザマは「見える化」した情報を活用し、建設事業のCO2排出量削減に貢献していきます。


注1:カーボンフットプリント(CFP)
CFPとは「Carbon Footprint of Products」の略称で「製品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体(製品の一生)を通じて排出される温室効果ガスの総排出量をCO2に換算した数値」で同排出量を表示する仕組み。国内では、国際規格に基づき信頼性・透明性を確保した制度として、JEMAI(一般社団法人産業環境管理協会)環境ラベルプログラムによって運営されている。
注2:カーボン・オフセット
自らの努力では削減しきれないCO2などの温室効果ガス排出量を、他の場所での削減・吸収により埋め合わせ、社会全体として温室効果ガスを減らす取り組み。

〔参考〕カーボン・オフセットの概要



注3:ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
高断熱化・日射遮蔽、自然エネルギー利用、高効率設備により、できる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、年間で消費する建築物のエネルギー収支「ゼロ」を目指した建築物。
注4:安藤ハザマの実建築物への初適用事例
安藤ハザマの研修用宿泊施設「TTCつくば」(茨城県つくば市)にて、国内実建築物で初のCFP認証を取得。客観的かつ統一的指標に基づく実建築物を対象にしたCO2排出量の評価が行えることを実証。さらに「TTCつくば」の設計・施工では、CO2排出量抑制に向けた取り組みを実施した上で、排出量の一部についてカーボン・オフセットを実施。
(2016年9月28日付プレスリリース:「実建築物で日本初のカーボンフットプリント認証を取得 − カーボン・オフセットによる温室効果ガス削減対策も併せて実施 −」
注5:モーダルシフト
トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換すること。鉄道は、輸送単位当たりのCO2排出量が輸送機関の中で環境負荷が最も少ない。
(出展:日本貨物鉄道株式会社 公式サイト「モーダルシフトとは」


〔参考〕運輸部門における二酸化炭素排出量の比較

写真1 東京貨物ターミナル駅事務所

図1 「東京貨物ターミナル駅事務所新築工事」のCFP

図2 本工事における輸送プロセスのCO2排出量



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