女性ならではの感性で
施工の現場を動かす手応え。

施工管理のインターンシップに参加、現場の魅力を肌で感じた

元々、私はインテリアデザインに興味があり、大学で建築を専攻しました。しかし、大学の授業で施工現場を見に行く機会があり、目の前で建物ができていく、ものがつくられていくことに感動を覚えたのです。それを契機に、施工管理の仕事に興味を抱き、大学3年の夏、当社のインターンシップ(施工管理)に参加しました。わずか10日間でしたが、現場が日々変わっていくワクワク感がありました。加えて多くの人が関わり、タッグを組むことで建築物がつくられていくことにとても魅力を感じ、施工管理の仕事に就きたいと思ったのです。当社への入社は、インターンシップで感じた人の温かさや優しさが決め手になりました。
入社後、新入社員研修を受けて配属されたのが、大学の研究施設建築現場でした。当初は何を会話しているのかわからないほど、現場独特の言葉が飛び交い戸惑いもありましたが、先輩に指導を受けながら現場を一つひとつ覚えていきました。やがて“コンクリート打設”の現場を担うことになったのです。

「また一緒にやろう」という職人の言葉、嬉しさに涙がにじみ出た

施工管理担当は、工程全体を把握・管理しつつ、業者を手配し材料を発注し、職人さんを指揮して現場を円滑に動かしていく役割を担います。コンクリート打設現場では、約20人の職人さんを指揮する立場になりました。職人さんたちとは、父親や祖父ほどにも歳が離れており、当初はとても緊張しました。しかし、いざ現場が始まってみると、女性の施工管理者は珍しいこともあって、皆さんに可愛がっていただいたという印象が強いですね。もちろん、それに甘えていたわけではありません。元気のいい挨拶を基本に、職人さんの依頼や質問にはすぐに動いて対応することを心がけました。その継続で、職人さんとの信頼関係が築かれていく手応えがありました。失敗もあります。私のミスで、材料搬入のタイミングが遅れ、職人さんたちの仕事を中断させてしまったのです。でも職人さんたちは「ここまで一緒に頑張ってきた仲間」だからと、理解してくれました。一生懸命、ひたむきに取り組むこと、そしてそれは人に伝わることを実感しました。
やがて、先輩、職人さんの力強いサポートのおかげで、大きな問題もなく無事に竣工を迎えることができました。竣工の喜び以上に嬉しかったことがあります。それはある職人さんから、「またどこかの現場で一緒にやろうな」と言われたこと。嬉しさのあまり、涙がこぼれました。

“現場は家族”のようなもの、女性の力が活きる場という実感

大学の研究施設竣工後に配属となったのは、大規模ショッピングセンター建築現場です。まだ工事ははじまったばかりで、基礎工事の前に行う地盤改良を進めている段階。これから具体的な施工計画に基づき、私の役割も決まってくると思います。当社のこれまでの建築物のなかでも最大規模のものでもあり、多くのことを吸収し成長できるチャンスと考えています。
業界のみならず、当社でも女性の施工管理者は多くありません。施工の現場は男性の仕事と見られがちですが、私の率直な印象では十分に女性が活躍できるフィールドです。たとえば、職人さんに対しての、女性ならではのこまやかな気配りや心遣いは現場を動かす力にもなります。私の実感では、“現場は家族”のようなもの。そこを仕切るには、女性の力がより求められてくると思っています。今後、現場になくてはならない存在になることが当面の目標です。

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