1. トップページ
  2. 新着情報
  3. 新着情報詳細

2020年


ZEB実証スペースを整備・運用開始
−安藤ハザマ技術研究所 本館棟にて−

2020年7月1日

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:福富正人)は、ZEBに関する要素技術について、省エネルギー性や快適性を実証することを目的として、当社技術研究所本館棟内一部エリアにおいてZEB化を目指して改修し、2020年7月より運用を開始しました。

1.背景
当社におけるZEB(注1)に関連する取り組みとしては、2019年5月にZEB推進室を立ち上げ、要素技術の開発や、実案件でのZEB Ready認証取得(注2)などの取り組みを通じ、10月にはZEBプランナー(注3) に登録されました。この取り組みをさらに加速すべく、ZEBに関する先進技術についての効果を実証するために、技術研究所本館棟内一部エリアのNearly ZEB(注4)化を目指して改修しました。
当社は、2019年12月に国際的イニシアチブであるSBTイニシアチブの認定を取得、さらにRE100に加盟しました(注5)。独自のCO2排出量削減目標を策定し、脱炭素で低負荷な循環型社会の実現に向けた取り組みを加速しています。この目標達成の一翼を担うため、2020年4月から安藤ハザマ次世代エネルギープロジェクトの実証試験を開始しており、今回の運用実証は、そのうちの「省エネルギーシステムによるエネルギー需要の計画運用マネジメント」の一環でもあります(注6)

2.取り組み概要
茨城県つくば市にある技術研究所は、開設から28年が経過しています。今回、一般執務、管理業務の拠点である本館棟の3階の一区画(約400m2)を実証エリアとして改修しました(写真1)。当該エリアでは、運用を通じて省エネ基準比75%省エネルギーとなるNearly ZEBの達成を目指しています。
Nearly ZEB達成のため、多岐にわたる省エネ技術を採用しています。特徴的な取り組みとして、温排熱の冷房利用が挙げられます。
技術研究所内に設置した次世代型省CO2コージェネレーションプラントで発生する温排熱は、冬季の暖房、通年でのデシカント空調(注7)による調湿に利用します。併せて、夏季には冷熱を製造する「吸着式冷凍機」(注8)の冷房熱源として高効率に利用できるようにしました(図1)。これにより、一年を通じて空調用一次エネルギー消費量を大幅に削減できます。また、室内側には、省エネ技術を多種(放射冷暖房、床吹出し空調、床染出し空調、ビルマルチエアコン)導入し(写真2)、ZEB技術のための最適なシステムについて検証を行います。そのほか、外断熱・窓の2重化、明るさ感に基づく照明・ブラインドの自動制御システム、IoTプラットフォームによる統合管理システムなど、将来に向けた技術を検証する場としています。
さらに、現在課題となっている新型コロナウイルス対応としての換気性能に関する実証や対策技術の試験適用、リモートワークを含めた働き方に関する実証なども並行して行う予定です。

3.今後の展開
一年間の運用実証を通じて、エネルギー消費量を計測し、Nearly ZEBの達成状況を確認します。さらに、各要素技術の実証を通じて快適性・省エネ性に関するノウハウを取得し、今後の設計提案に活用していきます。

注1:  ZEB
  Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼ぶ。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと (環境省ウェブサイト「ZEB PORTAL」より)。

注2: 安藤ハザマ ZEB取り組み紹介
  ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

注3: ZEBプランナー
ZEBに関する設計知見を有し、一般に向けて広くZEB実現に向けた相談窓口を有し、業務支援(建築設計、設備設計、設計施工、省エネ設計、コンサルティング等)を行い、その活動を公表するものとしてSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が認定する事業者のこと。

注4: Nearly ZEB
  ZEBの実現普及に向けて、4段階のカテゴリーが定義されている。Nearly ZEBはそのうちの上位2番目のカテゴリーを表す。具体的には、建物のエネルギー消費量を省エネ基準から50%以上削減し、かつ再生可能エネルギーを加えて全体で75%以上の削減を達成している建物(100%以上は『ZEB』)。

注5:
 
「SBT認定の取得およびRE100イニシアチブに加盟
 −脱炭素・循環型社会の実現に向け温室効果ガス排出削減への取り組みを強化−」
  (安藤ハザマ:2019年12月18日公表)

注6:
 
「安藤ハザマ 次世代エネルギープロジェクトの実証開始
 −水素社会の到来を見据えた広域的省CO2プロジェクト−」
  (安藤ハザマ:2020年3月13日公表)

注7: デシカント空調
  空気中水分を吸着材にて吸着し除湿を行う空調方式。除湿後の吸着材は、加熱乾燥して再び除湿に利用する。この加熱再生の工程で温排熱を利用することで1次エネルギー削減につながる。

注8: 吸着式冷凍機
  65℃程度の温水を利用して冷水を製造する装置。吸着材(シリカゲルなど)に蒸気を吸わせ、蒸気の気化熱を外部に取出して冷熱として利用する。吸湿後の吸湿材料を再生するために外部からの温排熱を利用して加熱する。




写真1: 建物外観(左側が改修対象)


図1: 吸着式冷凍機システム概要



写真2: 室内内観と各種空調システム


ページの先頭へ