入社9年目の大森浩司が現在担当している現場は東京メトロ銀座線の「外苑前駅」。出入り口の拡幅、エレベーターの設置工事をはじめ、2020年開催の東京オリンピックに向けた駅整備工事を担当している。国立競技場が近いこともあり、「外苑前駅」は整備が進む東京メトロ各駅の中でも重点駅とされている。大森に1日の仕事の流れを聞いた。
入社9年目の大森浩司が現在担当している現場は東京メトロ銀座線の「外苑前駅」。出入り口の拡幅、エレベーターの設置工事をはじめ、2020年開催の東京オリンピックに向けた駅整備工事を担当している。国立競技場が近いこともあり、「外苑前駅」は整備が進む東京メトロ各駅の中でも重点駅とされている。大森に1日の仕事の流れを聞いた。
家を出るのは6:30です。それまでの身支度や朝食の間にも、家族とコミュニケーションをとるように心がけています。帰りが遅くなる日もあるので、少しでも会話する時間を増やしたいと思い、朝のコミュニケーションを大事にしています。
作業所に到着すると、まずスーツから作業服に着替えます。外苑前駅の現場は、ほぼ24時間稼働。そのため作業所に到着すると、夜勤からの引継ぎを行います。施工の進捗状況をチェックし、昼勤の作業を確認。現場巡視を担当する後輩社員に指示を出します。
現在進めているのが、駅内のエレベーター設置工事。交通量の少なくなる夜間に道路を規制して作業したり、電車の動いていない深夜の時間帯に駅の中で作業をするため、24時間稼動で施工する必要があります。さらに都市土木の場合、歩行者や車、そして地下埋設物など生活を支えるライフラインの近くで行う作業が多くなります。その中でも安全に工事を進められるように、社員・作業員が一丸となり、細心の注意を払って施工しています。
始業後、すぐに直属の上司である課長と打ち合わせを行います。現状の問題点を共有し、その解決のためにやるべきこと、施策について意見交換します。その後、施工計画や工程表などの書類作成作業を行います。入社1~3年目は、まず現場に貼り付いて、現場を知ることから始まりますが、入社9年目の私は施工全体を俯瞰的に見る立場であるため、全体のマネジメント作業に時間を費やすことが多くなっています。
10時に現場に行くと決まっているわけではありません。緊急を要する時には、現場最優先で駆けつけます。現在、エレベーター設置工事は掘削が終了し、構築のフェーズに入っています。作業員への指示や品質、工程等の確認は後輩の担当であるため、私は工程の一歩先、次の段階を想定し、必要と思われる指示を出します。
モノが完成したときは、この仕事をしている者であれば、誰もがやりがいを感じる瞬間だと思います。私は現在の現場に着任して2年半になるのですが、この現場で初めて、現場の中心的な存在として施工を管理・実行しています。モノを動かし人を動かす手応えがあり、今まで以上に土木施工管理の仕事の面白さを実感しています。まさにこの現場が私にとってのターニングポイントだと思っています。
時間が許せば、現場を見て回ります。時と場合に応じて、作業員からヒアリングを行い、潜在的な問題はないかどうか把握します。また昼勤作業の最終的な確認作業、調整を行います。
新入社員のときにトンネル工事現場で測量を担当したのですが、その測量で大きなミスをしてしまいました。その際、ある作業員から「お前のミス、1日で取り返してやる」と言われ、助けていただきました。私たちは作業員を指揮し指示する立場ですが、現場は作業員の方々の力で動いていることを実感した出来事です。以来、作業員との関係を大切にして現場に臨んでいます。
昼勤が終了。朝、夜勤の引継ぎをしたのと同様に、昼勤の作業内容を夜勤に引継ぎます。まだ夜勤者は出勤していないので、連絡用ノートで報告します。後輩が事務所に戻ってきたら、1日を振り返り、明日以降の作業について打ち合わせを行います。
資材の発注業務、必要な書類、施工図の作成などを行います。退社時間は日によって変わりますが、できる限り残業は圧縮して早めの帰宅を心がけています。もちろん、現場の状況に応じて残業が多くなる時期もありますが、それを適切にマネジメントしていくのも自分の役割と考えています。
施工管理を担当する技術者が目指すところはやはり現場所長であり、私も同様です。現場の全責任を担い、全指揮を執る立場で現場を完成させてみたいですね。そして、自分の子どもたちに「これはお父さんが作ったもの」と見せてあげたいと思っています。