「津軽ダム」
建設プロジェクト
青森県の西目屋村を流れる岩木川上流で建設が進められてきた「津軽ダム」が竣工した。場所は、原生的なブナ天然林が分布する世界遺産・白神山地の玄関口。このダムを建設した目的は、1960年に安藤ハザマ(当時は間組)が完成させた「目屋ダム」を、多目的ダムとして生まれ変わらせることにあった。目屋ダムはこの地域を長きにわたり支えてきたが、近年は度重なる川の氾濫や渇水に対応しきれなくなっていた。加えて、利水面での需要増も見込まれていた。そこで、目屋ダムの再開発事業として建設されることになったのが津軽ダムである。総貯水量は目屋ダムの3.6倍となり、「洪水調節」「流水の正常な機能の維持」「かんがい用水」「水道用水」「工業用水」「発電」の機能を持つ多目的ダムが誕生。その奮闘の軌跡を追った。