遺棄化学兵器処理
近年、旧日本軍が遺棄したとみられる化学兵器(毒ガス兵器)による被害が相次いでいます。
安藤ハザマはこの「遺棄化学兵器」の処理工事を経験し、調査から分析・処理に至る一連のシステムを確立しました。
旧日本軍で生産された化学兵器
区分 | 旧軍における名称 | 化学物質名 |
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窒息剤 |
あお剤 |
ホスゲン |
血液剤 |
ちゃ剤 |
シアン化水素 |
びらん剤 |
きい剤 |
マスタード(イペリット),ルイサイト |
及び両化学物質の混合物 |
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くしゃみ剤 |
あか剤 |
ジフェニルシアノアルシン+ |
(嘔吐剤) |
ジフェニルクロロアルシン |
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催涙剤 |
みどり剤 |
クロロアセトフェノン |
発煙剤 |
しろ剤 |
トリクロロアルシン |
シアン化水素を含む“ちゃ瓶”と見られる不審瓶
(神奈川県平塚市にて発見)
特長
- 肉厚の球状ガラス瓶
- 石灰または蝋の蓋により密封
- うす茶〜黒色の液体を含む
- 割れると内容物が急速にガス化
調査
レーダー探査、水平磁気探査、金属探査などにより、遺棄化学兵器の埋設範囲を確定します。
安全対策
作業時の作業員の安全を確保するため、適切な防護具を使用します。また、周辺住民の安全確保のため、ガスの漏洩を防ぎます。
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防護具 |
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物理探査状況 |
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作業用遮蔽構造物 |
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排気除染装置 |
ガス検知
作業環境および周辺環境の毒ガス成分の有無を簡便かつ迅速に検知しながら作業を進めます。
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化学剤検出器 |
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化学剤検出器 |
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ガスクロマトグラフ-質量分析計 |
掘削・除去
遠隔操作式の施工機械による掘削と、作業員による不審物の回収の作業を組合せ、安全かつ効率良く作業を進めます。
処理・廃棄
不審容器内の化学剤を同定し、化学剤の種類によって適切な化学処理を実施します。
- 不審容器の開封作業は危険を伴うため、排気除染装置に接続したドラフトチャンバー内で遠隔式装置により行います。
- 化学処理後の廃液は、毒ガス成分が残っていないことを確認後に産業廃棄物処理します。
- 分析および処理の結果は、オランダ・ ハーグの化学兵器禁止機構(OPCW)に報告します。
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内容物の同定作業 |
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無害化後の廃液処理作業 |
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マスタード汚染土壌の湿式化学処理 |
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