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1.開発背景
発生が懸念される南海トラフ地震などの巨大地震では、ゆっくりとした揺れが長時間にわたり続くため、免震建物の免震部材は繰返し大変形を強いられます。これにより、免震装置の減衰性能が低下し、上部構造は応答変位が過大となり、擁壁衝突や免震装置の損傷が懸念されます。
そこで、巨大地震で生じる免震建物の過大変位を抑制する目的で、「フェイルセーフ制動装置」を開発しました。
2.技術概要
「フェイルセーフ制動装置」は巨大地震により設計範囲を超える過大変位が生じると、上部構造の水平変位にブレーキをかける(制動する)革新的な装置で、以下の特徴を有しています。
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免震クリアランスを拡大することなく、巨大地震対策が可能です。
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設計で考慮している地震動の免震性能に影響しません。
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免震層に容易に施工できます。
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シンプルな構造を採用しているため、長期間の使用に耐えることができます。
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制動力には、低降伏点鋼の塑性変形(注1)による力を利用しており、高いエネルギー吸収能力を有します。これにより、上部構造の損傷を最小限に留めます。
今後は新築および既設の免震建物に本装置の幅広い適用を図り、巨大地震に対する安心、安全の向上に取り組んでいきます。
※フェイルセーフ制動装置は、株式会社川金コアテック、平和発條株式会社との共同開発です。
巨大地震に対応する「免震ブレーキ工法」
注1:低降伏点鋼の塑性変形
塑性変形とは鋼材に力を加えて変形させた際、力を除いても元の長さに戻らなくなる変形のことで、低降伏点鋼は塑性変形性能に特に優れた材料です。
図1 巨大地震が考慮されていない免震建物で懸念される状況
図2 巨大地震を考慮した免震ブレーキ工法
図3 フェイルセーフ制動装置
図4 実験風景