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コンクリート系外壁の改修
コンクリート系の外壁には、美観と躯体保護の目的で各種の仕上げが施されています。しかしながら、直射日光・風雨・寒暖などの環境下にある仕上げ材は、経年によって劣化が進行していきます。劣化した状態を放置しますと、外壁保護機能の低下により仕上げ材下地の損傷を招き、漏水などの故障原因となるばかりでなく、改修箇所が増えれば、改修費用が増大します。そのため、適切な時期に仕上げ材の改修を行う必要があります。仕上げ材の耐用年数は、メンテナンス状況や環境条件などにより変わりますが、一般的には以下のように考えられています。
外壁仕上げ材の一般的な耐用年数
仕上げ材料 | 一般的な耐用年数 |
---|---|
一般的な仕上げ材 | 8~10年 |
高耐久性仕上塗材 (フッ素、アクリルシリコン等) |
15~20年 |

劣化状況

シーリング材の劣化

タイルの浮き・剥れ

吹付け材の剥れ

吹付け材の白亜化

外壁のひび割れ

鉄筋の腐食膨張
外壁仕上塗材の改修
仕上塗材改修では、下地処理と旧塗材と相性の良い新規塗材の選定が重要です。
ポイント
劣化したシーリング材の撤去と打ち直し
下地補修(ひび割れ補修、鉄筋露出部補修、欠損部補修、下地浮き補修)
劣化状況による旧塗材の撤去または「重ね塗り」の可否判定
「重ね塗り」の場合、旧塗材との相性のよい新規塗材の選定
旧塗材の劣化した膜を除去し、吹付け前の下地を洗浄

外壁タイルの維持・改修
外壁タイルは、経年によって、浮きや剥離が生じることがあります。
また、建築基準法第12条に基づいて、特定行政庁が指定した特殊建築物については、定期的な調査・検査を実施し、報告することが定められています。
ポイント
劣化したシーリング材の撤去と打ち直し(更新)
定期点検(ひび割れ、浮き・剥れなど)
部分補修または全面的な剥離防止処置、仕上げ種類の変更

浮き部注入

剥離防止対策工法例
(ピンとネットで剥離防止)

タイル洗浄