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関ケ原の合戦で功績を挙げた堀尾氏は、5年の歳月をかけて慶長16(1611)年に、出雲隠岐の宍道湖の東端に位置し、城下町を見晴らすことができる現在の地に松江城を完成させました。
千鳥が羽を広げたような入母屋破風が四方に乗っていることから、別名「千鳥城」と呼ばれている天守は、四重五階地下一階で、石垣を含めた高さが約30mの望楼式です。平成24(2012)年に、松江神社から2枚の「祈祷札」が発見され、築城年が明らかになったことから、平成27(2015)年に国宝の指定を受け、五つ目の国宝天守となりました。
平成23~25(2011~2013)年にかけて実施された耐震診断で耐震性能不足が判明し、当社がその耐震補強工事を担当しました。文化財修理の理念※をもとに、3階には格子状の耐震補強壁を、5階には木製のカバーを付けた鉄骨フレームを、小屋裏には水平補強用の鋼製ブレースを設置し、観光客の登城を1日も止めることなく、令和元(2019)年に竣工しました。
※重要文化財(建造物)耐震診断・耐震補強の手引(改訂版) 平成29年3月 文化庁文化財部参事官
文化財建造物の耐震補強の原則
意匠を損なわないこと、部材を傷めないこと、可逆的であること、区別可能であること、最小限の補強であること
所在地 | 島根県松江市 |
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発注者 | 松江市 |
設計・コンサルタント | 公益財団法人文化財建造物保存技術協会 |
竣工年 | 2019年 |
概要 | 木造 地下1階 地上5階 延床1,784㎡ |
トピックス
利用技術
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