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2016年


泥水式シールド工事での自然由来砒素含有汚泥の効率的な浄化技術を確立
− 鉄粉剤を用いた砒素の吸着・分離除去システムによる浄化技術の向上−

2016年8月25日

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:野村俊明)は、自然由来の砒素を含む地盤を泥水式シールド工法(※1)でトンネル掘削する際に発生する砒素含有汚泥を、効率的に浄化する技術を確立しました。

1. 背景
首都圏において、地下に鉄道や道路を整備する大型プロジェクトが本格化する中、自然由来で基準値を超える重金属等を含む工事発生土が大量に排出され、その処分に多額の費用がかかることが懸念されています。
当社は、それら自然由来の重金属等のうち、特に国内で発生事例の多い砒素に着目した上で、泥水式シールド工事で発生する泥水に、砒素との吸着性が高い鉄粉剤を添加・撹拌混合し、最終的にドラム回転式磁力選別装置を用いて砒素が吸着した鉄粉剤を取り除く浄化方法において、従来に比べより効率的な浄化が可能となる技術を確立しました。
この技術により、最終処分場や浄化施設で処理される砒素を含有する汚泥(二次処理土)が、汚染のない一般建設汚泥に効率的に浄化されることになるため(処理フロー図参照)、大幅な処分費の削減等が可能となります。

2. 特徴
従来技術は、鉄粉剤を水中の土砂重量に対し1〜5%の量で添加した後、攪拌混合処理におおよそ30分以上の時間を要し、さらに砒素が吸着した鉄粉剤の回収には3,000G(ガウス)以上の高磁力のレアアース磁石を用いた磁力選別装置が必要でした。
このたび当社は、浄化技術の効率化に向け考察をすすめ、泥水への鉄粉剤の添加率が高いほど泥水の浄化時間が短縮されること、およびドラム回転式磁力選別装置の鉄粉分離回収効率が上昇する特性があることを確認し、鉄粉剤の添加率を土砂重量の8〜10%程度に設定することで浄化処理時間の短縮を図るとともに、磁力選別装置についても、廉価で一般的なフェライト磁石を用いる低磁力タイプ(1,500G程度)の装置で、従来と同様98%以上の鉄粉回収率を確保することに成功しました。鉄粉剤は、添加率を上げても砒素の吸着能力が飽和状態になるまで繰り返し使用が可能であるため、工事全体での総使用量は従来と変わりません。これらにより、従来に比べ浄化処理時間は2/3程度、磁力選別装置のコストは半分程度となり、さらなる浄化処理の効率化とコストの削減を実現しました。

3. 今後の展開
当社は、既にパイロット試験を実施済みですが、今後は外径10mを超える大断面のシールドトンネル工事を見据え、更なる規模の拡大、処理時間の短縮、並びにプラントコスト低減に向けた取り組みを進めていく予定です。


※1:泥水式シールド工法
鋼製で円筒状の掘削機(シールドマシン)を前進させることでトンネルを掘り進む工法のうち、土を切り崩す部分(切羽)に加圧した泥水を供給して掘削面の安定を図りながら掘削するもので、主に軟弱地盤や地下水圧が高い場所で適用される。

処理フロー図

写真:パイロット試験状況

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