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2017年


運用中のダムリニューアル工事で有人による水中作業を低減
―鹿野川ダム選択取水設備施設外新設工事のうち取水塔構築が完了―

2017年2月15日

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:野村俊明)は、2016年12月18日、鹿野川ダム(注1)のリニューアル事業のうち、取水塔の躯体工事を完了しました。

新たに設置された選択取水設備


本工事は、ダムを運用しながら発電取水用の既設取水塔を撤去し、新たに選択取水設備を構築するもので、同様の工事としては、国内で初めて仮締め切り(注2)を設置せずに工事を行いました。当社は次の保有技術や工夫により、安全性、品質の確保と作業の効率化を実現しました。

(1) 無人で水中でのチッピング(注3)を可能とする「あざらし®」(注4)の活用
(2) 陸上での部材の事前構築

1. 運用中のダムリニューアル工事における課題
ダムを運用しながらのリニューアル工事の多くは、大規模な仮締め切りを設置してドライな状態にするか、もしくは潜水士による水中作業によって行われます。しかし、仮締め切りの設置工事は時間やコストがかかり、一方潜水士による深い水の中での作業は安全性の課題に加え、視認性の悪さから、品質確保と作業効率にも課題がありました。

2. 技術・工夫の概要
(1) 無人で水中でのチッピングを可能とする「あざらし®」の活用
「あざらし」は、打撃系のスパイキーハンマーに水中攪拌機を取り付けた機械で、陸上でクレーンを操作して、無人で水中でのチッピングを行うことを可能にしました。

あざらし®(機械自体)

あざらし®(水中作業イメージ)


(2) 陸上での部材の事前構築
選択取水設備の新設工事では、選択取水設備側壁部の躯体をユニット化した鉄筋と、プレキャスト化した箱型の部材を陸上で一体化させました。これをクレーンで水中に沈めて設置し、水中不分離性コンクリートを打設しました。こうすることにより水中での型枠作業をなくし、鉄筋組み立て作業を大幅に低減することで、作業の安全性と大幅な効率化を実現しました。

ユニット化した鉄筋とプレキャスト化した箱型の部材の
水中への吊り込み

水中での部材積み込みイメージ


3. 今後について
今回、仮締め切りの設置をしない水中作業が主体の工事において、当社は安全性と品質の確保、および作業効率の向上を実現しました。この実績を活かし、今後計画されるダムのリニューアル事業に積極的に取り組んでまいります。


注(1):鹿野川ダム
鹿野川ダムは一級河川「肱川(ひじかわ)」の上流に位置する、1958年に建設された重力式コンクリートダム。本工事名は「平成24-27年度鹿野川ダム選択取水設備施設外新設工事」
注(2):仮締め切り
水中に構造物をつくる際、陸上と同じ条件で工事を行うことができるよう水の浸入を防ぐための仮設構造物

注(3):チッピング
選択取水塔などの更新工事の場合、新規に構築されるコンクリート構造物と既設堤体との密着性を高めるために、既設堤体のコンクリート表面を凹凸状になるように削る作業
注(4):「あざらし®」
安藤ハザマと栗田鑿岩機株式会社とで共同開発した、無人で水中のコンクリート表面をチッピングする機械。水中攪拌機を取り付けることにより、既設堤体にスパイキーハンマーを押し付けてチッピングする。
次の特長がある
  ①貯水池を運用しながらの施工が可能
  ②仮締め切り工事を実施しないため、工程短縮およびコスト削減が可能
  ③作業効率は人力の約3倍(試験施工時)
ご参考1<工事概要>
  工事名称:平成24-27年度鹿野川ダム選択取水設備施設外新設工事
  工事期間:平成25年1月30日〜平成29年3月30日
  工事場所:愛媛県大洲市肱川町宇和川地先
  工事内容:鹿野川ダムのリニューアル事業で、既設の取水設備を撤去し、新しい選択取水設備を構築する工事
            です。選択取水設備とは貯水池の水を任意の水位で取り込む設備で、下流の環境に適した水温、水
            質の水を選んで下流に流します

            浚渫工 1式、基礎工 1式、側壁工 1式、低水放流設備工
            堤体切削工 1式、ゲート室設置工 1式、 放流管巻立工 1式、仮設構台 1式

            主要資材:コンクリート 約5,300m3、仮設用鋼材 約1,600t、鉄筋 約88t

ご参考2<取水塔図>

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