TOP / FEATURE / ひとがつながり イノベーションが起こる場所 YIL.
うなぎ(eel)の寝床のような細長い狭小施設への親しみを込めた
「YIL(イール)」は、慶應大学矢上キャンパスの産学連携棟の増築計画である。
10年後の大学ビジョン「未来のコモンセンスをつくる研究大学」の実現のために、国内外の社会課題解決やスタートアップを通じた新産業創出を実行する、オープンイノベーションの拠点施設である。
INFORMATION


1. 細長い狭小区画に愛着が湧くように YIL="eel(ウナギ)" と呼称し、内部を区切らず意匠で区画化
2. 1Fを「集う(ラウンジ)」、2Fを「試す(試作実験室)」として、平面断面的に気配を共有し一体感を醸成
3. 1スパン増築による中間領域生成と、テラスへの大開口や屋内外一体デザインによりキャンパスに開かれた施設


1Fのインテリアはダークグレーをベースに、木や緑をポイントにして柔らかな雰囲気をつくっている。キャンパス内の他にはない「ここに居たい」内装デザイン。
2Fのインテリアは家具や実験機器や研究テーマに合わせてフレキシブルな利用ができるよう、均一な設えを採用した。1Fと対比するようなメリハリのある色彩計画。


1Fは大間口から様々な人の活動が外に現れる。YILの前を通る人たちにキャンパス内の他の建物とは違う異空間を感じてもらい、「入ってみたくなる」外観デザイン。
2Fは実験機器や測定機器があるため、外部からの光を遮る必要性があり「閉じ方のデザイン」を考えた。
テラスは限られた奥行だが、植栽とエクステリアで彩っている。



グッドデザイン賞審査員の評価
受賞ギャラリー
5m×50mと言う既存研究等の裏側スペースを活用し、ラウンジ及び試作スペースが生まれている鰻の寝床の空間デザイン。1階の開かれたスペースでの、研究内容のディスカッション風景や休憩時間に一息ついてる風景などが、キャンパスに対して良い空気感を醸し出している。奥行きが浅く幅が広い敷地で、キャンパスに開く建築を作ることにより、建物内に閉じてしまいがちな研究活動がキャンパスを歩く人の日常とつながっていくことがすばらしい。