地域の期待を背負って始動した
大規模ダム建設
安藤ハザマの情熱と想いが
その軌跡に刻まれている
青森県の西目屋村を流れる岩木川上流で建設が進められてきた「津軽ダム」が竣工した。場所は、原生的なブナ天然林が分布する世界遺産・白神山地の玄関口。このダムを建設した目的は、1960年に安藤ハザマ(当時は間組)が完成させた「目屋ダム」を、多目的ダムとして生まれ変わらせることにあった。目屋ダムはこの地域を長きにわたり支えてきたが、近年は度重なる川の氾濫や渇水に対応しきれなくなっていた。加えて、利水面での需要増も見込まれていた。そこで、目屋ダムの再開発事業として建設されることになったのが津軽ダムである。総貯水量は目屋ダムの3.6倍となり、「洪水調節」「流水の正常な機能の維持」「かんがい用水」「水道用水」「工業用水」「発電」の機能を持つ多目的ダムが誕生。その奮闘の軌跡を追った。
PROJECT DATA
- 用途
- 多目的ダム
- 発注者
- 国土交通省東北地方整備局
- 概要
- 青森県・岩木川上流の重力式コンクリートダム/堤高97.2m/堤頂長342m/堤体積759,000㎥/総貯水容量約1.4億㎥
PROJECT MEMBER
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1991年入社 工学研究科建設工学専攻修了
前任者の後を引き継ぎ、所長として現場の運営・管理を指揮しました。ダム建設を推進する一方、部下や作業員のマネジメントにも注力し「良いものをつくろうとする雰囲気づくり」を進めました。その中で、地元の方々からの「頑張ってください」という言葉が、大きな励みになりました。皆さんの期待に対し、良いものづくりで応えることができたことに、大きな達成感がありました。
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1983年入社 工学部土木工学科卒
提案時にはリーダーとして技術提案書作成を手がけ、施工時には技術支援を行うため、幾度となく現場に足を運びました。計画通り工事が進められたのは地元の方々の理解と協力のおかげです。目屋ダム建設時に続き、津軽ダム建設のために、二度目の移転に応じていただいた方々もいます。感謝の気持ちでいっぱいです。
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2009年入社 工学研究科土木工学専攻修了
施工管理者として、ダム本体工事から付属設備設置、ダムの止水機能向上までの一通りを担当。技術的な面で多くのことを学べたと同時に、上司や先輩たちの仕事に対する姿勢に触発されることが多く、貴重な経験となりました。メンバー間や協力会社との雰囲気が良く、高品質なものづくりを行うことができたと思っています。
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1982年入社 工学部電気工学科卒
機械・電気・施工設備に関わる計画立案や施工管理を担当しました。ドローンを工事管理に応用することを提案し、その映像がテレビで全国放映されたことは印象深いです。この現場では、大型工事ならではの多様な工種を経験でき、機電担当としてそのすべてに関わったのでやりがいがありました。さまざまな分野の技術者との交流も良い思い出です。
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1987年入社 工学部土木工学科卒
着工時からこの工事に携わり、4年間所長を務めました。1960年に先輩方がつくられた目屋ダムがその役割を全うし、津軽ダムとして生まれ変わっていく姿は感慨深いものがありました。再びこの地のダムを施工することを西目屋村の方々も歓迎してくださり、先輩方が築かれた地元との信頼の絆を守り続けなければと身を引き締めて臨みました。