「配筋検査システム協議会」の会員会社である安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:国谷一彦)を含むゼネコン21社(注1)(以下、会員会社)とプライム ライフ テクノロジーズ株式会社(東京都港区/代表取締役社長:北野亮)は、建設DX(注2)サービス「CONSAIT(注3)(コンサイト)」として、基盤・記録アプリ「CONSAIT BASIC」、配筋検査品質の向上と効率化をサポートする配筋検査専用アプリ「CONSAIT Pro(プロ)配筋検査」とAIカメラ「CONSAIT Eye(アイ)」(以下、本システム)の共同開発を行ってきました。2024年4月より会員会社へ本システムの先行導入を開始します。

写真1:本システム
本システムは、パナソニックの技術を活用して開発したAIカメラ「CONSAIT Eye」が配筋を立体検知し、鉄筋径、本数、ピッチを計測、鉄筋の配置を登録した設計データと自動照合し、その結果を帳票フォーマットへ自動的に反映します。検査前の「検査用データ入力」および「帳票作成」は、「CONSAIT Pro配筋検査」で効率化されます。本システムのAI&ICT技術により、検査や記録の正確性、検査品質が向上し、同時に、配筋検査の煩雑な作業を効率化し、作業時間の大幅な短縮(1測定箇所あたりの事前準備・検査・写真記録・帳票化すべての合計時間を概ね半減(注4))を実現します。
1.開発の背景
2024年4月1日に「働き方改革関連法」が制定された背景には、建設業界の共通課題として、熟練技術者の高齢化、離職、若手技術者の入職減少や育成に時間を要する点、品質管理の厳格化による業務量増加などが挙げられます。国土交通省では、ICTを活用して建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させる目標を掲げており、建設DX化の推進によって、生産性向上など共通課題の解決が期待されています。
2.CONSAITの概要
建設DXサービス「CONSAIT」は、建設現場全般の記録業務を効率化・共有化する基盤・記録アプリ「CONSAIT Basic」、配筋検査専用アプリ「CONSAIT Pro配筋検査」、専用デバイスAIカメラ「CONSAIT Eye」の3つで構成されています。
①「CONSAIT Basic」(基盤・記録アプリ)
日々の建設現場の記録業務(電子小黒板の簡単作成、写真撮影、是正管理、図面管理、報告書作成)を効率化するアプリです。全ての工種に対応し、直感的な操作を可能としています。
⓶「CONSAIT Pro 配筋検査」(配筋検査専用アプリ)
検査前の「検査用データ入力」や「検査項目の設定」、検査後の「帳票作成」など、配筋検査業務を効率化するアプリです。

図1:「CONSAIT Pro 配筋検査」概要
③「CONSAIT Eye」(AIカメラ)(配筋検査専用デバイス)
AI搭載の3眼カメラが配筋を立体検知し、撮影した画像をもとに、鉄筋径、本数、ピッチを計測、鉄筋の配置を登録した設計データと自動照合し、その結果を帳票フォーマットへ自動的に反映します。「土木現場」と比べ、普及が遅れていた「建築現場」向けAIカメラの導入により、建設DX化を図ります(土木現場対応も予定)。

写真2:AIカメラ (配筋検査専用デバイス)
3.本システムの特長
本システムの特長は、以下のとおりです。
- 誰の手でも持ちやすく使いやすい操作感
- 検査箇所の「全数記録」を容易化する機能
- 配筋を立体検知することができる
- 監理監督者が遠隔から確認できる「遠隔臨場」にも対応可能
- オフライン環境でも計測可能(データのアップ・ダウンロードはWi-Fiが繋がる環境下で実施)
4.今後の展開
会員会社では、現場検証を重ねることで、本システムが配筋検査の検査品質や業務効率化に対して有効であることを確認しています。今後も会員会社は、プライムライフテクノロジーズと協働し、継続的改善スキームを運用することで建設業界の課題解決と生産性向上を目指し、現場への普及を図ってまいります。
関連プレスリリース
-
配筋検査システム協議会 会員ゼネコン21社(2024年3月現在)
青木あすなろ建設株式会社/株式会社淺沼組/株式会社安藤・間/株式会社奥村組
北野建設株式会社/株式会社熊谷組/五洋建設株式会社/佐藤工業株式会社/大末建設株式会社
髙松建設株式会社/鉄建建設株式会社/東急建設株式会社/戸田建設株式会社/飛島建設株式会社
西松建設株式会社/日本国土開発株式会社/株式会社長谷工コーポレーション
株式会社ピーエス三菱/株式会社松村組/村本建設株式会社/矢作建設工業株式会社 -
DXとは、「Digital Transformation」の略で、デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくこと
-
CONSAITは、プライム ライフ テクノロジーズ株式会社の登録商標
-
1カ所当たりの検査時間での比較(実証実験による試算)