安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:国谷一彦)は、仙台市青葉区で建設を進めていた仙台安藤ハザマビルが完成し、2024年1月29日に東北支店を移転し、営業を開始しました。
当社ではカーボンニュートラル社会の実現に向けて各種取り組みを進めていますが、仙台安藤ハザマビルでは「地域特性を活かした、健康かつ生産性の高い、省エネルギーな次世代オフィスビル」をコンセプトに、井水利用による天井輻射空調方式(注1)や、太陽光パネルによる日射抑制を兼ねたバルコニーなど、さまざまな環境技術を採用しました。
1.所在地
〒980-8640 宮城県仙台市青葉区片平一丁目2番32号名称:仙台安藤ハザマビル
2.電話番号(代表)
TEL:022-266-8111 / FAX:022-212-1070
3.トピックス
(1)FM(ファシリティマネジメント)事業
建設業界を取り巻く事業環境の変化に対応して、収益安定化を図るために、フローとストックのバランスの取れた事業ポートフォリオへの変革を目指しています。本事業はその第一弾であり、自社使用事務所と賃貸共同住宅とのハイブリッド型に建替えました。
(2)建築物LCAで2種類の環境ラベルを同時取得
当社がこれまで確立してきた建築物のLCA手法をさらに発展させ、評価範囲を拡張させることにより、エコリーフ環境ラベルとCFP(カーボンフットプリント)環境ラベルを同時に取得しました。(注2)CFPが気候変動のみを評価対象にしているのに対して、エコリーフは気候変動だけでなく、オゾン層破壊、酸性化などの複数の環境影響も公的な指標で評価することが特長です。建築建屋だけでなく設備や運用も含めて公的なルールでLCAを実施し、さらにはエコリーフ環境ラベルを建築物で取得するのは国内初となります。
(3)ZEB+ZEH-M Oriented同時認証取得
事務所部分で建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)による建築物全体評価にて最高ランクおよびNet-ZEB認証(100%以上エネルギー削減)、賃貸共同住宅部分でBELSによる建築物全体評価にて最高ランクおよびZEH-M Oriented認証(20%以上のエネルギー削減)を2022年10月28日付で取得しています。(注3)事務所および賃貸共同住宅からなる複合施設において、Net-ZEB認証とZEH-M Oriented認証を同時に取得したのは国内で初めてとなります(当社調べ)。
①ボールト天井型輻射空調システム(省エネ技術)
省エネと快適性の両立を目指して、現地で採水される井水を熱源とした天井輻射空調を採用しました。採用に当たり当社技術研究所にて検証と確認を実施し、建築意匠・空調・照明設備が一体となったシステムを構築しました。
②建物壁面も活用した太陽光発電(創エネ技術)
屋上ほぼ全面および南側壁面に太陽光パネルを設置することにより、Net-ZEB達成に必要な創エネ率を確保しました。建物南側に設置する壁面太陽光パネルは日射抑制庇としての機能も合わせ持ちます。太陽光パネルは有事の電源としても活用し、自家発電機、蓄電池と合わせて、地域基幹支店としてBCP性能確保に寄与します。
③パッシブな省エネルギー技術と高効率設備機器
断熱性能の高い外壁材選定、屋上外断熱の強化、Low-E複層ガラスの採用、住戸間断熱補強など、建物全体の断熱性能を高めるとともに、庇やバルコニーによる日射抑制を行い、空調負荷を低減しています。加えて、住宅部分の給湯器・エアコンは高効率設備機器とすることで、ZEH-M Oriented認証レベルの省エネ率を実現しました。
今後は、ビルの運用を通して快適性、BCP性能など、ZEB化の効用を多角的にとらえたノウハウを検証しながら、今後のお客さまへの提案につなげていきます。
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天井輻射空調
天井に敷設する輻射空調パネルに冷温水を通じ、空調パネルと発熱源(人体等)との間で直接熱交換を行う方式。空気式と比較して室内の温度ムラが少なく、空調温度設定を2℃程度緩和することが出来るとともに、温調にかかる空気搬送が不要なため、省エネルギー効果が高い点が特長。 -
安藤ハザマ2023年5月18日リリース資料を参照
国内初、設備や運用も含めた建築物LCAで2種類の環境ラベルを同時取得 -
安藤ハザマ2022年11月21日リリース資料を参照
国内初、事務所と賃貸共同住宅の複合施設でNet-ZEBとZEH-M Orientedの認証取得