安藤ハザマ(代表取締役社長:野村俊明)は、このたび、一般社団法人 産業環境管理協会(以下、産業環境管理協会)が運用する「カーボンフットプリントコミュニケーションプログラム」(以下、CFPプログラム)(※1)において、建築物(躯体および仕上材)を対象に、国内の建設会社で初めて(※2) 「カーボンフットプリント宣言認定」(以下、CFP宣言(※3) 認定)を取得しました(図1参照)。
カーボンフットプリント(以下、CFP)とは、原材料の調達から廃棄・リサイクルに至るまでの商品・サービスのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算した数値のことをいいます。この数値を「見える化」し、商品・サービスに分かりやすく表示する仕組みが「CFPプログラム」です(図2参照)。
建築物の新築・運用・改修に関わるCO2排出量は、国内全排出量の約4割を占めるといわれています(※4) 。建築物の省エネ化・低CO2化の取り組みは、運用時(建物の使用時)において積極的に行われていますが、躯体や仕上げ等建築物自体の評価については、発注者のメリットが少ないなどの理由により、これまであまり進んでいませんでした。
安藤ハザマでは、CFPの算定の実施にあたり、建設業の形態(同一製品の大量生産ではない、単品受注請負型)をふまえて、まず、一般的な鉄筋コンクリート造建築物として「安藤ハザマモデル建築物」を設定しました(図3参照)。この設計情報(規模、構造、資材数量等)に基づいてCFPの算定方法を確立し、このたび、CFP宣言認定を取得しました。
CFPの算定範囲は、新築・改修時における躯体および仕上げを対象としています。算定範囲を限定することで、CO2削減ポイントをより効果的に把握し、お客様に対して、環境負荷低減の観点から材料・工法等の提案を行うことが可能となりました。
安藤ハザマは、今回のCFP宣言認定の取得を契機に、環境負荷の少ない材料・工法等の研究開発を進め、その成果を当社の設計や施工へ活用してまいります。そして、現在開発中のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)(※5)技術と連携を図り、建築物のライフサイクル全体を包括した総合的な取り組みにより、低炭素社会の実現に貢献してまいります。
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「カーボンフットプリントコミュニケーションプログラム」(CFPプログラム)
2009年に経済産業省等の主導で開始された「CFP制度試行事業」を、2012年から産業環境管理協会が引き継ぎ、本格運用を開始した制度。 -
国内の建設会社で初めて
2014年7月31日現在、安藤ハザマ調べ。 -
「カーボンフットプリント宣言」(CFP宣言)
「CFPマーク」、「数値表示」、「追加情報」および「CFPプログラムウェブサイト(https://www.cfp-japan.jp/)において公開される登録情報」をいう。 -
建築物の新築・運用・改修に関わるCO2排出量は、国内全排出量の約4割を占める
出典 社団法人建築業協会「BCS行動計画」(2008年) -
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
建築物の運用時におけるエネルギー消費量を、省エネ性能の向上や再生可能エネルギーの活用等により削減し、年間消費量がネット(正味)でほぼゼロとなる建築物。

図1:CFP宣言認定証

図2:CFP算定結果の数値表示の例

建築物概要
[用途]飲食店舗およびテナント [建物規模]地上8階・地下1階
[建築面積]358.80㎡ [延床面積]2595.4㎡
[構造]鉄筋コンクリート造
図3:安藤ハザマモデル建築物