安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締社長:福富正人)、大成ロテック株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締社長:西田義則)、株式会社内山アドバンス(本社:東京都江戸川区、代表取締役社長:柳内光子)、大阪兵庫生コンクリート工業組合(所在地:大阪市北区、理事長:木村貴洋)、灰孝小野田レミコン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:山内和宏)および一般財団法人 電力中央研究所(本部:東京都千代田区、理事長:松浦昌則)で構成するコンソーシアムが応募した「CO₂を高度利用したCARBON POOLコンクリートの開発と舗装および構造物への実装(以下、本プロジェクト)」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)による、グリーンイノベーション基金事業「CO₂を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」(以下、本事業)に採択されました。
本事業は、コンクリート、セメント等の分野におけるカーボンリサイクル技術の社会実装に向け、技術的課題の解決と標準化等を進めるとともに、戦略的な国内・国外への普及により、脱炭素化の実現とカーボンニュートラル社会実現に貢献することを目指すことを目的とした2030年までの公募事業です。当コンソーシアムは「一般社団法人生コン・残コンソリューション技術研究会(RRCS研究会、代表理事:東京大学 野口貴文教授)(注1)」の加盟団体で構成する、CARBON POOLコンクリートの基本技術の開発ならびに製造・施工、品質管理までのシステム開発、展開を行うグループと、LCCO₂(注2)・LCA(注3)・LCC(注4)統合評価設計システムの構築を目的とした電力中央研究所らのグループで構成しています。
本プロジェクトの概要と目標は以下のとおりです。2026年度までに根幹技術の完成を目指して、開発と実証試験を進めていきます。
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CARBON POOLコンクリートは、セメント焼成工程などで発生するCO2をコンクリート由来の産業廃棄物に固定化させるという地域内循環を構築します。さらに新たな技術を用いてCO2吸収を最大化・最速化したコンクリートは、セメント焼成工程などで発生するCO2を上回る310kg-CO2/㎥以上固定化することでカーボンネガティブを実現します。この開発・社会実装によって、2040年ごろに年間200万t-CO2以上の削減効果を目指します。
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現場施工可能なCARBON POOLコンクリートの特長を活かし、施工性や耐久性を確保することで、舗装のみならず、建築・土木構造物にも実装していきます。
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LCCO2・LCA・LCCの総合評価システムを構築することにより、ESG金融の促進やカーボンプライシングをサポートし、脱炭素社会に貢献していきます。
安藤ハザマは、CARBON POOLコンクリートを脱炭素社会の基軸とし、主要建設資材であるコンクリートをカーボンネガティブ材料に転換させるため、幹事会社としてコンソーシアムを強力にけん引していくとともに、「安藤ハザマVISION2030」で掲げる環境価値の創造の実現に向けた最も重要な事業の一つと捉えて、強力に推進していきます。

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一般社団法人生コン・残コンソリューション技術研究会(RRCS研究会):https://rrcs-association.or.jp/
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LCCO2: 「ライフサイクルCO2」の略。建築物などの建設に伴って発生する二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するために、建物寿命1年あたりのCO2排出量を算出して評価する手法
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LCA:「ライフサイクルアセスメント」の略。製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法
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LCC:製品や構造物がつくられてから、その役割を終えるまでにかかる費用をトータルでとらえたもの