安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:福富正人)は杭基礎工事の省人化とコンクリートの使用量削減を実現する「安藤ハザマPCaパイルキャップ工法」を開発し、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC 性能証明 第21-14号)を2022年1月11日付で取得しました。
杭基礎は杭頭部を囲むように設けられるパイルキャップ、基礎梁、および柱で構成されています。一般的にパイルキャップおよび基礎梁はRC造で、複数の鉄筋が配筋されています。さらに、柱をRC造とすると、パイルキャップ内に多数の鉄筋が輻輳するため、施工性が悪く配筋作業に多くの労力を必要としています。
「安藤ハザマPCaパイルキャップ工法」はこれらの課題を解決するために、①施工を簡略化した杭頭接合構造と②一般的な従来工法に比べて小型化・軽量化したプレキャストパイルキャップ(以下、PCaパイルキャップ)を用いた杭基礎構造です。
①施工を簡略化した杭頭接合工法
外殻鋼管付きコンクリートパイル(SC杭)、またはプレストレスト鉄筋高強度コンクリートパイル(PRC杭)の既製杭の頭部に接合鋼管を設置して、その内部に接合筋を配筋した後、杭中空部、接合鋼管と杭との隙間にコンクリートを充填することにより杭頭接合部を構築するもので、現場溶接が不要の極めて簡易な工法です。
②小型化・軽量化したPCaパイルキャップ
揚重、運搬を考慮して従来よりも小型化・軽量化した柱・基礎梁接合部が一体化されたプレキャスト部材を使用します。プレキャスト部材は工場で製作を行うために、現場での省人化が図れます。
試算では、本工法を用いることにより従来工法に比べて、現場での人工を約20%削減、パイルキャップ1か所あたりコンクリートの使用量を約30%削減が可能です。 また、柱をプレキャスト部材とした場合に用いられる揚重機を変更することなく施工できることも確認しています。
今後は、需要が顕著な大規模物流倉庫などを中心に、本工法を積極的に展開していきます。


