安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:福富正人)は、日本発の新世代パワーデバイス(注1)用半導体として期待されるβ型酸化ガリウム(注2)の研究開発を行う株式会社ノベルクリスタルテクノロジー(本社:埼玉県狭山市、代表取締役社長:倉又朗人、以下、NCT社)が実施する第三者割当増資の引受けに合意し、出資を実行しました。
株式会社タムラ製作所からのカーブアウトベンチャーであるNCT社は、β型酸化ガリウム(β-Ga₂O₃)単結晶基板・エピタキシャルウエハの開発・製造・販売およびパワーデバイスの開発を行っております。β-Ga₂O₃の基板製造、薄膜成長、パワーデバイス開発ではトップレベルの技術を保有し、同分野の世界の研究開発をリードする企業です。

ノベルクリスタルテクノロジーの主要製品
当社は、今回の出資を通じて、現在進めているエネルギー事業関連の取り組み(再生可能エネルギー事業、ZEB技術開発、次世代エネルギープロジェクト等)において、当社研究施設等を活用しつつ、低損失化等に向けたNCT社の新技術の実証を含めた共同研究開発を開始する予定です。
安藤ハザマは、長期ビジョン「安藤ハザマVISION2030」で掲げる「環境価値の創造」戦略を推進し、環境負荷低減に貢献する技術やサービスの創出により、カーボンニュートラルな社会の実現に向けた取り組みを加速していきます。
NCT社概要
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パワーデバイス
電力の制御や変換等を行う半導体素子の総称で、高電圧大電流を扱う素子。家電、電気自動車や鉄道、産業用機器、太陽光発電や風力発電など、世界中のあらゆる電気機器に組み込まれ、電圧や電流の制御を行っている部品。パワー半導体とも呼ばれる。 -
β型酸化ガリウム
現在、パワーデバイスの材料の99%がSi(ケイ素、シリコーン)製だが、これ以上の大幅な電力損失(電力のオンとオフの切り替え時に生じる損失)低減は困難で、次世代材料と期待されるSiC(シリコーンカーバイド)やGaN(窒化ガリウム)は低損失だが、材料コストが高く、広い普及に課題を抱えている。酸化ガリウムは、それらよりも低損失かつ製造が容易となる可能性が高く、中耐圧の汎用品から高耐圧の特殊品まで、広い範囲への応用が期待されている。