安藤ハザマ(本社:東京都港区 代表取締役社長:国谷一彦)は、『安藤ハザマ技術フェア2025』を1月23日~24日の二日間にわたり開催し、当社のお客様や大学関係者をはじめ、事業提携先の西武建設様なども合わせ800人を超える方々にご来場いただきました。当社の技術フェア開催は2017年以降8年振りであり、今回初めての試みとして、メタバース空間を利用した展示を1月30日に行いました。
『未来を創る、技術の最前線 ~社会に新たな価値を創造する~』をコンセプトに、当社技術研究所(茨城県つくば市)を会場として、技術の進歩と新たな社会ニーズに応えるために改修、新設した温熱環境施設、大型三軸振動台、遠心力載荷装置のほか、生産性向上、国土強靭化、カーボンニュートラル、創エネルギーに関する技術、そして宇宙や自然共生といった未来を創造する技術を披露しました。
改修、新設した施設のお披露目
温熱環境施設
さまざまな気象条件を再現し、遮熱検証デモ試験やデータセンターを模擬した空調試験、日射装置を体感いただきました(写真1)。
大型三軸振動台
環境性能に優れた天井輻射空調パネルを使用した耐震実証試験を行い、リアルな地震動を再現し、耐震性を高めた設置方法と従来の設置方法の安全性の違いをご覧いただきました(写真2)。
遠心力載荷装置
装置の実物の見学に加え、豪雨災害に備えた河川堤防の安定化技術を紹介しました(写真3)。

写真1:温熱環境施設

写真2:天井輻射空調パネルの耐震実証試験

写真3:遠心力載荷装置
未来を創造する技術
地球上の建設技術を宇宙に応用し、持続可能な未来を実現するための革新的な取り組みである『2040年安藤ハザマ宇宙構想』を紹介しました。当社が得意とする3次元遮蔽計算技術を活かした宇宙放射線から身を守る宇宙シェルターや、地下掘削の技術を活かした地下空間利用技術を展示しました(写真4)。
また、自然と共生する未来を目指す当社のネイチャーポジティブとして、技術研究所に設けた各種の実証フィールドを紹介しました。
さらに、環境に優しい未来を築くための挑戦として、資源循環と最大163kg/㎥のCO₂固定を両立するCPコンクリート(注1)の開発に向けた取り組みの紹介に加え、CPコンクリートで作成した「ベンチ」や「模擬床版」を展示しました(写真5)。

写真4:宇宙技術開発の展示ブース

写真5:CPコンクリートで作成したベンチ
来場者の声
大型三軸振動台は、一度のデモンストレーションで200人を超える方がご覧になるほど人気があり、温熱環境施設では、真夏の陽ざしを再現した日射装置を体験し、外気との気温差に驚かれていました。また、来場された方からは「実際の現場でどのように展開されているのか」といった質問や、「どの展示も詳しく説明してもらえてわかりやすかった」との感想をいただきました。
メタバース空間での展示
技術研究所での開催のほか、今回初めてメタバース空間を利用しての展示を行いました。参加者はアバターを操作することでメタバース空間に設けた3階建ての展示スペース内を回遊し、メタバース空間に待機した説明員のアバターから展示内容の説明を受けました。
展示スペースの1階では、技術研究所に改修、新設した3施設のバーチャルツアー、2階ではDX/GXに関する技術の展示、3階では宇宙技術開発やネイチャーポジティブといった未来に向けた取り組みを紹介しました(写真6)。

写真6:メタバース空間に開設した展示スペース
安藤ハザマは、新たに誕生した施設を通じてイノベーションを加速させ、たゆまぬチャレンジで新たな価値を創造し、社会課題の解決に貢献していきます。
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CPコンクリート
CARBON POOLコンクリートの略。セメント焼成工程などで発生するCO₂等をコンクリート由来の産業廃棄物に固定化させ、コンクリート材料として再利用する地域内循環を構築します。さらに新たな技術を用いてCO₂吸収を最大化・最速化したコンクリートは、セメント焼成工程などで発生する量を上回る310kg-CO₂/㎥以上のCO₂を削減することでカーボンネガティブを実現します。