技術概要
山岳トンネルにおけるボーリング作業では、削孔水を用いた削孔方法が一般的です。一方で、膨張性地山などの水によって劣化を生じる地山では、無水での削孔が有効と考えられます。また、地盤の硬さや含水状況などは、同一場所おいても異なる性状である場合が想定され、幅広い変化に富んだ地質を持つ地盤に対応可能な技術が求められます。このような背景のもと、無水での削孔が可能となるボーリング技術を開発しました。供用中の高速道路更新工事等への適用を視野に入れ、機動性に優れた超小型削孔機と設備を用いることで、限られた空間内での作業性能を確保しました。

供用中の道路トンネル内でのロックボルト施工イメージ
技術紹介動画
特長
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供用中の道路トンネル内で使用可能な作業効率のよい機械・設備
削孔機械は、供用中のトンネル内などの空間制限の厳しい条件下において機動力を発揮する「超小型削孔機SM-6(ソイルメック社製)」を使用します。打設角度の可動域が広く、様々な姿勢でボーリング作業が可能です。削孔能力は、汎用機械の約2倍の高トルク仕様となっています。
削孔設備としてエアーコンプレッサーと粉じん対策設備を車上に配置するため、設置・撤去が容易となります。また、一般車両の通行に対する影響がないため、供用中の道路等での施工に適しています。
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幅広い地質性状に対応した無水削孔
エアーを用いた無水削孔が可能です。また、ボーリングロッドにスクリューを取り付けることで削孔土砂を強制的に排土できる機能を兼ね備えています。
スクリューオーガにより、泥岩などの粘着性が高く、地下水の少ない地盤に対しては、エアーのみを用いた削孔方法に比べ、排土量が20%程度、削孔速度が5%程度向上します。また、数値解析においても実験結果と同等の結果となることが確認されております。
単管または、二重管による削孔方法が可能であるため、孔壁の保持が困難となる脆弱な地山にも対応できます。
