技術概要
本技術は、既設の杭基礎構造物を対象として、複数の杭を補強体により拘束することで、地震に対して強い構造物を構築する工法です。
補強体は、杭中間付近の地盤を恒久性の材料を用いて部分的に固化させ、杭を包含するようなブロック状または壁状に構築します。

特長
本技術は、既設の杭基礎構造物のフーチング周囲から高圧噴射撹拌工法により、補強体を構築します。そのため、以下の特徴があります。
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低コスト、短工期
増し杭工法等と比較して工期短縮、コスト削減が期待できます。
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限られたスペースでの施工が可能
小型施工機(ボーリングマシン程度)での施工が可能であり、都市部などの狭隘な場所でも施工できます。
増し杭工法と異なり、フーチングの拡幅を伴わないため、敷地制限を懸念する必要がありません。 -
振動抑制効果
耐震補強効果に加え、交通振動等の生活振動を抑制し、周囲への影響を低減します。
適用事例

施工状況(昭栄大橋)

施工状況(高井水管橋A1橋台)
施工実績
工事名称 |
発注者 |
工期 |
補強体形式 |
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CPR工法実大実験工事 | 2003年12月~2004年 3月 |
ブロック状 |
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東京都水道局東部建設事務所 綾瀬川水管橋耐震補強工事 |
東京都水道局 |
2004年12月~2005年 6月 |
水管橋杭基礎耐震 |
新潟県三条地域振興局 昭栄大橋左岸橋脚補強工事 |
新潟県三条地域振興局 |
2008年10月~2008年12月 |
道路橋杭基礎補強 |
S高架橋下部工耐震工事 |
2011年 3月~2011年 4月 |
道路橋杭基礎補強 |
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千葉県南房総広域水道企業団 高井水管橋下部工耐震補強工事 |
南房総広域水道企業団 |
2014年 9月~2014年10月 |
道水管橋杭基礎耐震補強 |
N処理場 放流渠耐震化工事 | 2015年6月 |
ブロック状補強体 |
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M水管橋耐震補強工事 | 2017年 2月~2017年 3月 |
壁状補強体 |
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Y高架橋補強工事 | 2017年10月~2017年12月 |
壁状補強体 |
出典:CPR工法研究会 http://www.cpr-m.jp/
模型振動実験
液状化地盤中の杭基礎を対象とした1g場の模型振動実験より、補強効果よる最大曲げひずみの低減を確認しました。また、この実験の有効応力解析結果より、解析的にも効果を確認しました。

実規模構造物の動的FEM解析
沖積低地に位置する橋脚基礎を対象に動的FEM解析を実施し、実規模構造物における補強効果による地震時最大曲げモーメントの低減を確認しました。

実大実験の実施
CPR工法の施工性および設計に必要なデータの収集を目的とした実規模の杭基礎構造模型を対象に実大実験を実施しました。実大実験では、補強体を高圧噴射工法により作製し、補強体作製前後で、性能確認試験を実施しました。
