技術概要
近年、シールドトンネルの大深度化に伴い、立坑・開削トンネルも大深度化が進み、高水圧への対応に加え、狭隘なヤード・空頭制限下など厳しい条件下での施工が増加しています。大深度の施工法は、大きく分けて、地中連続壁を用いる開削工法と、地上で構築した本体構造物を沈設するケーソン工法の2種類があります。
当社は、大深度や路下において、低空頭型の連壁掘削機を用いたRC・鋼製連壁の施工、国内最深となるニューマチックケーソンなど多くの実績を有しています。さらに、ケーソン沈設時の姿勢や施工情報を一元管理・可視化するスマートケーソンシステムを開発し、高精度の沈設、施工管理の省力化を図っています。

主な大深度立坑・開削トンネルの施工法
適用例
【地中連続壁】
①首都高速中央環状新宿線 要町換気所~RC連壁と路下鋼製連壁による大深度・大規模換気所の構築~
構造概要:幅40m×延長100m×深度50m
工事の特徴
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大深度のRC連壁(壁厚1.0m、壁長70m)
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路下鋼製連壁の本体利用(壁厚1.5m、壁長24m、施工基面GL-35m)
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大深度掘削に垂直ベルトコンベアの使用、床版逆巻きによる工程短縮
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発進基地(発進立坑)の位置選定の自由度が向上します。

構造概要図

RC連壁 施工状況

路下鋼製連壁 施工状況
②相鉄・東急直通線、新綱島駅~軟弱地盤・河川近傍下で、最大深度58mのソイルセメント鋼製連壁の施工~
構造概要:幅13.5~25.0m×延長205m×深度34.5~38.9m
工事の特徴
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CSM工法による大深度ソイルセメント鋼製連壁の本体利用(壁厚1.2m、芯材GH-900、壁長47~58m)
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高被圧水下での路下鋼製連壁の施工(壁厚1.2m、芯材GH-900、壁長18m、施工基面:GL-23m)
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軟弱地盤での土留め変形抑制対策として、切梁プレロード、先行地中梁の採用

構造概要図

CMS掘削・造成状況

芯材建込状況

芯材建込完了
【ケーソン】
首都高速中央環状品川線 中目黒換気所下部工事~国内最深の大型ニューマチックケーソン~
構造概要:矩形42m×32.5m×深度71.1m
工事の特徴
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70m超の大深度、且つ硬質地盤(固結シルト主体)での掘削・沈設
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山手通りと目黒川に挟まれた狭隘な敷地
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高層マンションに隣接し、河川護岸など大型構造物に近接

構造概要図

施工状況