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2021年


LCA手法を活用した、建築物の新たな環境影響評価
−設計・施工にて建設中の当社独身寮でカーボンフットプリント認定を取得−

2021年4月13日

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:福富正人)は、脱炭素社会の実現を見据え、建設事業に関連する温室効果ガスの削減に向けてさまざまな取り組みを推進しています。その一つとして、神奈川県川崎市で設計・施工にて建設中の当社独身寮でライフサイクルアセスメント(注1)(以下、LCA)を実施し、カーボンフットプリント(注2)(以下、CFP)(図1)認定を取得しました。
本取組みは、お客さまと当社の双方のサプライチェーン排出量の脱炭素化に貢献するとともに、当社のSBTとRE100の目標達成のための取組みの一環です(注3)

1.背景と概要
脱炭素社会を構築するためには、二酸化炭素をはじめとする環境負荷物質の定量分析により環境影響を評価し、負荷削減策を計画、実行することが不可欠です。環境影響の評価には、環境から採取した資源の量と環境へ排出した物質量を定量する方法であるLCAが有効です。しかしながら、建設分野は資材投入量が多いため、LCAの実施が非常に難しく、公平かつ信頼できる評価手法の確立が求められています。当社はこれまでに、LCAに関する専門性を有する第三者が評価結果について検証することで公平性・信頼性を担保できるCFP認定制度に着目し、環境ラベルの一つであるCFP認定マークを建築物に付与する仕組みを確立し、国内初のCFP認定を取得しています(注4)
LCAの手法論はISO14040/14044に規格化されていますが、ISOに準拠したLCAを実施するには、高い専門性が求められます。今回、新たにLCA用インベントリデータベース「IDEA v2(注5)」と、LCA評価ツール(IDEA用)(注6)を活用することで、高い専門性を有していなくても効率的にLCAを実施できる仕組みを確立いたしました。これにより、二酸化炭素以外の多様な環境負荷物質を合わせた総合的な環境影響評価(注7)(図2)が可能となります。また、LCA実施において重要な資材投入量については、積算数量内訳を把握・利用することで、当該建築物で採用した低炭素型PCa部材(注8)による環境影響についても詳細に評価を行いました。

2.今後の展開


CFP認定だけでなく、気候変動以外の環境影響を算定して公表する、エコリーフ環境ラベル(注9)の建築物への適用、普及についても取り組んでいきます。



BIMを活用したLCA評価手法の確立と普及についても積極的に取り組み、建築物へのLCAを推進していきます。建築物のLCA結果をデータベース化することで、コストや工程だけでなく環境にも配慮した建築物の最適解を、設計段階からお客様に提案することが可能になります。


ZEBの実現・普及の推進と併せ、建築物の運用時だけでなく建設時や解体時に排出される二酸化炭素も考慮した、ライフサイクルを通じてのカーボン・ニュートラル建築の実現を目指します。

注1:


ライフサイクルアセスメント
製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法。

注2:






カーボンフットプリント
CFPは「Carbon Footprint of Products」の略称。「製品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体(製品の一生)を通じて排出される温室効果ガスの総排出量をCO2に換算した数値」で同排出量を表示する仕組み。一般社団法人サステナブル経営推進機構が運営を行っている。
https://ecoleaf-label.jp/pdf_view.php?uuid=1a67919e-ff59-4c14-b8a1-05d821b71f0b.pdf&filename=JR-AA-21001C_JPN.pdf

注3:


SBT認定の取得およびRE100イニシアチブに加盟
−脱炭素・循環型社会の実現に向け温室効果ガス排出削減への取り組みを強化−

(安藤ハザマ:2019年12月18日公表)

注4:




実建築物で日本初のカーボンフットプリント認証を取得
−カーボン・オフセットによる温室効果ガス削減対策も併せて実施−

(安藤ハザマ:2016年9月28日公表)
建築物へのカーボンフットプリントとカーボン・オフセットの適用
(安藤ハザマ:2018年11月29日公表)

注5:




IDEA v2
産業技術総合研究所 安全科学研究部門が開発、運用している環境影響評価用のデータベース。農林水産業、鉱業、建築・土木などの非製造業、飲食料品、繊維、化学工業、窯業・建材、金属、機械などの製造業と電力・都市ガス、上下水道、運輸業などのすべての製品を対象とした網羅性の高いインベントリデータベース。

注6:


LCA評価ツール
日本建築学会 地球環境委員会LCA小委員会にて開発した、IDEAデータベースを用いて環境負荷物質を評価するツール。

注7:




総合的な環境影響評価
二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄 (SF6)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、生物化学的酸素要求量(BOD)などを総合的に判断することで、オゾン層破壊・酸性雨・大気汚染・富栄養化などを含む様々な評価が可能。

注8:



低炭素型PCa部材
今回適用した低炭素型PCa部材は、産業副産物の高炉スラグ微粉末をセメント代替の混和材として使用することで、セメント使用量を削減して製造されたPCa部材。高炉スラグ微粉末は、材料1t当たりのCO2排出量が普通ポルトランドセメントのおよそ30分の1と少ないことが特長である。

注9 :




エコリーフ環境ラベル
信頼性・透明性を確保した算定方法に基づく製品のライフサイクル全体にわたる定量的環境情報をLCAを用いて見える化する仕組み。カーボンフットプリントが気候変動のみの単一指標なのに対し、エコリーフは気候変動、酸性化、富栄養化、資源消費など3つ以上の指標を開示するラベル。
一般社団法人サステナブル経営推進機構が運営を行っている。




図1



図2

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