技術概要~高度設計・高度施工管理手法として~
構造物の3次元モデルと施工管理において作成される品質情報と施工履歴(各種管理帳票や図面、写真)を連動させて記録保管するシステムです。施工の進捗に合わせて、関係するデータを3次元モデルに取り込んでいきます。施工証明に資するトレーサビリティ情報として、あるいは、維持管理段階で利用可能な施工実績情報として活用することにより、BIM(Building Information Modeling)・CIM(Construction InformationModeling)時代に対応可能な3次元施工管理システムです。
システム展開事例
「情報蓄積」から「情報利用の促進」へ
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設計・施工・計測情報等を記録
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長い供用期間での情報一元化を実現
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施工情報を初期点検データとして活用
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トラブルとその対策事例が蓄積可能
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効率的な維持メンテナンスの実施支援

<地下発電所>施工~維持管理
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維持修繕履歴を記録
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給水・排水・廃水等の流れが一目瞭然
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違法排水の迅速な発見・是正
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担当者が交代しても作業位置の的確な指示が可能

<建築設備配管>施工~維持管理
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コンクリートの品質情報を記録
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トラブル発生箇所の特定が容易
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竣工後に見えなくなってしまう部分の情報確認が可能
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高い第三者評価を獲得

<道路橋橋脚>施工
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コンクリート品質情報・打設履歴を記録
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内空変位など計測データを記録
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施工記録の明確化と可視化
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所定の材料を使用し、正しく施工したことのトレーサビリティが可能

<山岳トンネル>施工
特長と運用効果
システムの特長
施工情報の散逸化の防止(立体データベース)→ 意志決定支援による施工の効率化
情報の可視化による施工トレーサビリティ → 品質管理の高度化、品質保証
維持管理を考慮した情報整理と情報蓄積 → 施工情報の継承
維持管理の高度化に向けた情報活用・分析 → アセットマネジメントへの支援情報提供
システムの運用効果
発注者や使用者に対して
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施工証明(健全性確保):自信ある製品提供
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施工証明(トレーサビリティ):顧客満足度の向上
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維持管理業務への施工情報の継承
社内では
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施工の進捗に合わせた情報記録と集中管理
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施工情報の閲覧による施工技術の理解促進
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トラブルの原因探索と事前予防策検討(発見的行動)
施工情報の記録方法
施工管理は時間と空間の変化の中での構造物の状況確認。それに逆らうことなく情報を記録できれば、意識しなくとも、系統立てて記録ができ、漏れがなくなります。

構造物の形状情報は、その建設に携わる者すべての共通語。
形状情報(施工場所)に合わせて施工情報を記録することにより、一元化と共有化を実現することができます。
形状情報の一例 | 施工情報の一例 |
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管路任意スパン(セグメント種別、補修履歴・・・) 管路全長(構築年月日、建設会社・・・) セグメント(カッタートルク、裏込め材・・・) |
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コンクリート打設ブロック (コンクリート強度、鉄筋かぶり・・・) 構造物本体(構築年月日、建設会社・・・) |
施工・品質情報の利用方法
1つの形状情報には個々の建設プロセスで出現した情報が集約されます。個別プロセスの情報はその履行の実態を示すもの(トレーサビリティ)であり、すべてのプロセスの情報を利用することで、トラブル原因探索とその対策立案が可能となります。

丁寧に1つ1つの形状情報と施工情報を関連付けすることがこの仕組みを実践するための鍵となります。