「地質情報CIM管理システム」とは
山岳トンネルの掘削は、地山内を線状に長い距離を掘削する作業となるため、トンネル計画位置全線にわたる詳細な地質情報を事前に取得することは一般的に困難です。従って、施工時のトンネルの安定性を確保するための支保パターンを適切に選定するにあたっては、掘削箇所の地質状況を詳細に把握して最適な評価を行うことが重要です。
また、ダム建設の場合も、建設位置の検討や周辺岩盤の調査、堤体材料の採取計画など、地質に関するさまざまな詳細検討を事前に実施するとともに、施工時には、実際に地質状況を詳細に確認・評価し、事前調査や設計との差異を確認した上で、所要の施工品質を確保していきます。
これらの課題を解決するために開発したものが、「地質情報CIM管理システム」（図1参照）です。これは、事前の調査結果から想定される地質状況を3次元モデル化するとともに、施工時に確認した地質情報を当該モデル上で一元管理するシステムです。
本システムは、実際の現場（トンネル13現場、ダム1現場、造成3現場）での運用により、現場ニーズに基づく改良を加え、操作性の高いシステムを目指して開発しました。
地質情報CIM管理システムの概要
こんな課題をお持ちのお客様に
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山岳土木施工現場でCIMを活用したい。
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施工現場における地質状況評価の高度化を図りたい。
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地質に関わる施工情報や計測データなどを一元管理したい。
特長
トンネル
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切羽写真の3次元配置や覆工コンクリート打設記録など､施工情報の一元管理を可能にしました。
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坑口地すべりCIMとトンネルCIMとの統合、任意の掘削箇所における地質断面図作成機能追加、地表面変位や地下水位などの計測データ3次元表示などを実現しました。
トンネル切羽写真3次元配置状況表示（例）
坑口地すべりCIMとトンネルCIMとの統合表示（例）
任意の掘削箇所における地質断面自動作成図表示（例）
地下水位計測結果CIM表示（例）
トンネル地表面変位計測結果CIM表示（例）
ダム
事前調査によって作成された2次元地質図をもとに、堤体基礎掘削断面ののり面や堤体材料採取箇所のり面のCIMを構築し、施工時に確認した地質情報によりモデルを逐次更新することで、複雑な地質分布状況を3次元的かつ高精度にモデル化しました。これらのモデルでは、地質区分ごとの体積を自動で算出できるため、施工時に堤体材料採取箇所ののり面で逐次更新される地質情報を賦存量管理に適用し、所要の品質を確保できる材料採取量を自動的かつ高精度に把握できるようにしました。
ダム堤体基礎掘削のり面CIM表示（例）
ダム材料採取掘削のり面CIM表示（例）
施工実績
トンネル13現場(国土交通省東北地方整備局新川目トンネル他)、ダム1現場(北海道厚幌ダム)、造成3現場