技術概要
気泡掘削工法とは、気泡の特徴を利用して地盤を掘削する工法です。
土と気泡を混合すると流動性、止水性、溝壁の安定性さらに固化材の混合性が向上するので、施工性、品質の向上とともに、従来工法では施工が難しい地盤での対応が可能となります。さらに気泡は消泡させることにより排泥量が大幅に減少し、かつ止水性が高いので逸泥・逸水を抑制できるため環境負荷低減につながります。
気泡掘削工法には、ソイルセメント地中連続壁と深層地盤改良に適用できる4種類の工法が実用化されていますが、ここではAWARD-Hsm(アワードエイチエスエム)工法とAWARD-Demi(アワードデミ)工法をご紹介します。
気泡掘削工法の一覧表
特長
AWARD-Hsm工法(AWARD-Horizontal multishaft rotating type Cutter Soil Mixing method)
水平多軸回転カッター掘削機を使用し、気泡掘削により等厚式のソイルセメント地中連続壁を造成する工法です。
AWARD-Demi工法(AWARD-Deep-mixing Method)
地盤改良の深層混合処理工法(オーガー方式施工機械)に、気泡掘削工法を適用し、品質や施工効率の向上、環境負荷低減を実現する工法です。
施工手順
オーガー先端から気泡と水を吐出しながら地山を掘削して流動性の高い気泡混合土にする。
引抜き時に改良材(消泡剤を添加した固化材スラリー)を添加・撹拌して改良体を造成する。
従来工法に比べ、大幅に排泥量を低減し、セメント等の使用量も低減できるため、環境負荷低減、コストダウンにも貢献します。
適用事例
AWARD-Hsm工法
土留め壁の仕様
・壁厚:900mm×壁深度:54.5m(床付深度:約15m)
・ソイルセメント壁体の必要強度:500kN/m2
等厚式ソイルセメント地中連続壁工法に適用
掘削時に気泡のベアリング効果流動性と均質性を高め、造成時には、消泡剤を混合して排泥を削減できます。
施工実績
開削道路トンネル工事
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施工場所:千葉県
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工期:2013年11月~2014年1月
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工事概要:AWARD-Hsm工法 W=900mm L=54.5m 1,480m2
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対象地盤:細砂・シルト