技術概要
安藤ハザマでは、ICTを活用して山岳トンネルにおける発破作業の高度化を行っています。「発破パターン作成プログラム」とマシンガイダンス機能付きのドリルジャンボを併用して、余掘りを低減した高効率な発破を実現しています。
トンネル発破で必要な技術
トンネルの発破では、岩盤に孔を空けて内部に爆薬を詰めて、内から岩盤を破砕します。トンネル前方の巨大な岩盤は一発で破砕することが難しいので、中心部から外周方向に向かって、順番に岩盤を破砕します。この時の爆薬を爆発させる順番や爆薬の配置を記したものが発破パターンです。
効率的な発破を行うには以下の2つの技術が重要です。
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良質な発破パターンの作成技術
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発破パターン通りに正確に穿孔する技術

トンネルの発破順序
良質な発破パターンの作成技術(発破パターン作成プログラム)
過去の施工データを分析し、穿孔配置を見直して、最適な発破パターンを作成する仕組みを構築しました。
トンネル断面や岩盤の硬さなどの基本情報を入力することで、最適な穿孔配置を3次元座標で出力します。
作成した発破パターンはナビゲーション機能付きジャンボに読み込ませて運用します。

出力された発破パターン
発破パターン通りに穿孔する技術(マシンガイダンス機能付きジャンボ)
近年、山岳トンネル現場ではマシンガイダンス機能付きのジャンボが使用されるようになりました。ナビゲーション機能付きのジャンボを用いることで、作成した発破パターン通りの穿孔ができます。

マシンガイダンス機能付きジャンボ

マシンガイダンス画面①

マシンガイダンス画面②
特長
これらの技術により、作業員の技量に関わらず、硬岩地山における長孔発破が可能となります。発破パターン作成プログラムにより合理的な発破パターンを作成でき、穿孔した範囲の地山を過不足なく破砕することができます。
トンネルの中心部から、計画的に岩盤を破砕していくことで、写真のようにスムースな外周面が得られます。
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余掘りを大幅に低減することができます。
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穿孔数、装薬量を低減することができます。
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長孔発破などにより、トンネルの進行がアップします。

効率的な発破状況
施工実績
工事名 | 発注者 | 備考 |
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玉島笠岡道路六条院トンネル工事 | 国土交通省 中国地方整備局 |
2021年竣工 |
利賀トンネル(河床進入)工事 |
国土交通省 北陸地方整備局 |
施工中 |
笠波峠除雪拡幅笠波トンネル工事 |
国土交通省 近畿地方整備局 |
2023年竣工 |
水海川導水トンネル2期工事 | 国土交通省 近畿地方整備局 |
施工中 |