技術概要
H&Vシールド機
（駅シールド用4心円タイプ）
H&V（Horizontal variation & Vertical variation）シールド工法は、従来の円形シールドを”くっつける”ことにより、超近接・併設トンネルをはじめ、様々な形状のトンネルを構築できます。さらに”くっつけた”シールドを地中で分離したり、シールドを旋回させ縦から横へとねじれたトンネルを施工するなど、トンネルの立地条件や使用目的などに応じて多種多様なトンネル施工法を提供することができる画期的な工法です。
特長
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従来の円形セグメントを用いながら超近接トンネル（離隔150～350mm）の施工が可能です。
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超近接したまま横2連から縦2連、あるいは縦2蓮から横2連へのスパイラル掘進が可能で、これによりトンネル・ルートの自由度が大幅に拡大し、用地費を低減します。
円形シールドとの設置スペースの比較
H&Vシールド機のスパイラル掘進
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個々のトンネルは力学的に有利な円形を基本としているので、構造的安定性と経済性に優れています。
分離型セグメント
一体型セグメント
H&Vシールド機の分岐
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H&Vシールド機を地中で切り離すことにより、立坑を設けずに分岐シールドの構築が可能です。
クロスアーティキュレート機構
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特殊な中折れ機構（クロスアーティキュレート機構）を備えていますので、スパイラル掘進だけでなく特殊断面シールド機のローリングなど姿勢制御に優れています。
適用事例
鉄道トンネルへの適用例
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超近接併設シールドと分岐による渡り線部や漏斗部開削区間の省略
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横→縦、縦→横により用地幅の削減
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駅部への適用
さらに駅シールドから駅間シールドを分岐することも可能です。
水路トンネルへの適用例
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分流式下水道トンネル
（分岐により行先が異なる場合も対応可能）
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内水圧が作用する2系統トンネル
（伏越トンネル、サイフォントンネル、導水路など）
共同トンネルへの適用例
分岐する共同溝や共同洞道への適用
道路トンネルへの適用例
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一般部（大断面の超近接トンネルにより用地幅の縮小）
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ランプ部（分岐により開削区間の縮小）
施工実績
地下鉄12号線環状部六本木駅（仮称）工区建設工事
都営大江戸線六本木駅部にて、4心円H&Vシールドにより2.7mの離隔の上下2段構造をした駅を、大型地下構造物直下で施工しました。トンネルは一本柱と縦桁を内蔵した構造をしており、耐力の高いNMセグメントを採用しました。なお、下方のシールドは土被り38mでの大深度施工となりました。
駅部断面
シールド発進坑口
- 発注者
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東京都地下鉄建設株式会社
- シールド外径
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Φ6,560mm×2（メイン）
Φ1,720mm×2（サブ）
幅13,180m×高さ7,060mm - 施工延長
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118m×2本
- 工法
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泥水シールド工法
※平成11年度土木学会技術賞受賞
第二溜池幹線及び勝どき幹線工事
第二溜池幹線と勝どき幹線を横２連分岐型H&Vシールド工法により築造するものです。大きさの異なる２本のシールドトンネルを、高水圧下にて離隔295mmと超近接で発進から同時に施工し、中間立坑を設けず地中で分岐することで各々の到達位置まで掘進可能で、1つの立坑から極めて近接した２連のシールドトンネルを構築しました。
横2連シールド機
H&Vシールド機据付
- 発注者
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東京都下水道局
- シールド外径
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Φ9,000mm
Φ4,150mm - 施工延長
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2,508m（φ9,000mm）
1,017m（φ4,150mm） - 工法
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泥水式シールド工法