技術概要
シールドトンネルの大深度・大断面化の進展とともに、道路トンネルの地中拡幅部などの特殊部では、高耐力を有する特殊部用のセグメントが用いられてきましたが、一般部に比べ桁高が大きくなり、必要な内部空間の確保ができないといった問題が生じています。
TUFセグメントは、外面を覆った厚肉鋼製部材と、その内部に充填したコンクリートとを一体化することで、セグメントの薄肉化、高耐力化および長期的にわたり高い止水性を実現します。
特長
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高耐力・高じん性
セグメントの断面内に鋼材を豊富に配置し、高い耐力とじん性を発揮できます。 -
セグメント桁高の抑制
厚肉鋼材を採用することでセグメント桁高を抑制、内部空間を確保できます。 -
高い耐久性・止水性
全面を鋼材で覆っているため、コンクリートのひび割れによる漏水がなく、高い耐久性・止水性を確保できます。 -
優れた施工性・経済性
セグメント組立て後にコンクリートを現場で充填することも可能で、組立て時のセグメントを軽量化し、施工性が向上します。また、コストダウンにも寄与します。

TUFセグメントの概要
鋼製セグメント |
従来型六面鋼殻 |
RC構造 |
TUFセグメント |
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構造 |
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桁高 |
1,050mm |
1,050mm |
1,900mm |
750mm |
スキン |
8mm |
8mm |
- |
22mm |
側板 |
外:50mm 中:100mm |
95mm |
- |
38mm |
フランジ |
50mm×100mm |
- |
- |
100mm×200mm |
従来型セグメントとの比較
実証実験
TUFセグメントについて、以下のとおり性能と実用性を確認しました。
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実物大(幅1.0m×桁高0.6m×弧長5.0m)での試験体製作により、厚肉鋼材の曲げ加工精度や組立精度、組立手順、溶接性などの製作性を確立するとともに、寸法などの製作精度を確認しました。
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実大規模の曲げ載荷試験により、十分な耐力を保有していることを確認しました。
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現場におけるコンクリートの充塡状況を模擬した試験を実施し、充塡性を確保できることを確認しました。

工場でのTUFセグメントの製作状況

製作完了後の仮組み状況(3ピースを組立て)