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技術概要
多様な断面形状によってシールドトンネルの適用領域を拡大
大深度地下空間の利用や都市高速道路の地下化、輻輳した地下空間でのトンネルの建設においてシールドトンネルの用途はますます拡大しつつあり、それに伴って新たな技術的テーマも浮上しています。当社は、従来の単円形だけでなく、特殊な断面へ対応する技術も有しています。
特長
4心円シールド工法
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地下鉄12号線の六本木駅は、上下2段の駅構造で掘削深さは40m。六本木駅交差点に隣接し、地下埋設物も輻輳する立地条件に加え、崩壊性の地盤、高水圧下での施工という厳しい条件をクリアするため、4心円シールド工法が世界で初めて駅シールドとして採用されました。
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本工事では、クロスアーティキュレート機構を備えたH&Vシールドのほか、トンネル軸方向の桁部材を内蔵した一体型複断面セグメントを採用。これによって、柱・桁の受け替えが不要となり、きわめて効率的な施工を可能にするとともに、各種構造試験、3次元FEM解析などにより高い安全性を確保しています。
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多様な断面形状によって、必要空間を最小断面で建設する4心円シールド工法などの特殊断面施工技術は、地下鉄駅部をはじめ、広いスペースが求められる地下街や道路などへと、シールド工法の適用領域を飛躍的に拡大しています。

[写真A] | 地下鉄12号線六本木駅―立坑内で発進を待つ4心円シールド | [図B,C] | 同シールドの可動機構 |
[写真D] | 高強度なNMセグメントによって覆工されたトンネル断面 | [図E] | 地下鉄12号線六本木駅のイメージ図 |
特殊断面シールドの施工実績
工事名称 | 発注者 | シールド 外径(mm) |
工法 | 用途 |
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地下鉄10号線浜町工区建設工事 | 東京都 | φ7,622×2本 | 手堀り(パイプルーフによる切り拡げ) | 地下駅 |
大堀川右岸第8号雨水幹線工事 (8-1工区) |
柏市 | 幅4,520×高さ3,920 | 泥水(ボックスシールド工法) | 雨水幹線 |
地下鉄12号線環状部六本木駅 (仮称)工区建設工事 |
東京都地下鉄建設 | 幅φ13,180×高さφ7,060×2本 | 泥水(4心円H&Vシールド工法) | 地下駅 |
高速度鉄道第4号線八事南工区 土木工事 |
名古屋市 | 幅φ11,050×高さφ6,450 | 泥土圧(DOT工法) | 地下鉄複線 |
吉見浄水場導水路工事 | 埼玉県 | φ2,090×2(横2連) | 泥水(H&Vシールド工法) | 導水路 |
東部丘陵線藤ケ丘駅東工区建設工事 | 名古屋市 | 幅φ11,430×高さφ6,730 | 泥土圧(DOT工法) | 地下鉄複線 |
第二溜池幹線及び勝どき幹線工事 | 東京都 | φ9,000、φ4,150 (横2連) |
泥水(H&Vシールド工法) | 雨水幹線 |
*地下鉄12号線環状部六本木駅(仮称)工区建設工事は平成11年度土木学会技術賞受賞