技術概要
土壌汚染対策法の第三種特定有害物質である「農薬類」やPOPs(残留性有機汚染物質)条約の指定物質、PCB、ダイオキシンなどの難分解性の有機物質による汚染土壌は、電気抵抗式の溶融法(ジオメルト工法)または1,000℃以上の温度による焼却法などによって無害化処理します。
ジオメルト工法は、汚染物や汚染土壌中に電気を流すことによって高温溶融し、難分解性の有害物を分解・無害化する技術で、PCBやダイオキシン類に汚染された土壌・汚染物中の無害化にも有効です。
特長
ジオメルト工法の特長
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溶融ゾーンは1,600℃以上の高温となり、PCBやダイオキシン類などの難分解性有害物を確実に分解します。
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有機塩素系化合物と重金属類による複合汚染にも適用可能です。重金属は固化体中に半永久的に封じ込められます。
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土壌、汚泥、焼却灰、レンガ、金属、プラスチック、木材をそのまま一括処理できます。
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処理後に生成されるガラス質の固化体は安全かつ無害です。路盤材などの土木資材としてリサイクルできます。
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ジオメルト工法は、もともとは処理設備を汚染現場に持ち込んで処理するオンサイト処理技術として開発・実用化されましたが、現在は三重県にある三重中央開発株式会社内に処理設備を設置し、そこに汚染物を持ち込み処理するオフサイト技術として適用されています。

ジオメルト処理設備(三重中央開発)

ジオメルト工法による溶融の状況

ジオメルト工法による無害化処理
ジオメルト工法と焼却法の比較
ジオメルト工法 |
電気抵抗式の溶融炉で難分解性の有機物質を熱分解します。
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焼却法 |
1,000℃以上の焼却炉で難分解性の有機物質を熱分解します。
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ジオメルト工法は公的機関からの評価を得ています。
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PCB汚染土壌の浄化方法において、「溶融施設」としての許可を保有しています(2010年6月)。
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POPs廃農薬を適正に分解処理できる技術として、環境省発行の「POPs廃農薬の処理に関する技術的留意事項」に記載されています(2004年10月)。
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「溶融分解方式」として、廃掃法のPCB廃棄物処理技術に認定されました(2004年4月)。
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ジオメルト技術は米国エネルギー省が開発した技術であり、日本国内においては、株式会社アイエスブイ・ジャパン※がライセンスを保有しています。
※株式会社アイエスブイ・ジャパンは、当社を含む民間5社により設立されました。
適用事例
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2001年~ オンサイトでのジオメルト実処理開始、2005年までに約1,000トンのオンサイト処理を実施
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2006年~ 三重県伊賀市にジオメルト処理プラントを設置、これ以降2020年までに約4,000トンの難分解性汚染物を無害化