技術概要
WJセグメントはトンネル拡幅部の接合用セグメントで、2本のトンネルを切拡げて大断面トンネルを構築する場合に最適な覆工構造です。施工手順はごく簡単でその概要は以下のとおりです。

特長
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2本のトンネルの施工誤差を吸収して拡幅部セグメントを組み立て、大断面トンネルを構築できます。
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非開削の狭隘な施工空間でも拡幅部の覆工を容易に構築でき、短工期での切拡げ施工を実現します。
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上下拡幅部のセグメントはWJセグメントにより2本のトンネル覆工と一体化され、アーチ部に作用する荷重、応力は確実に伝達されます。
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概略楕円の合理的な断面形状と構造形式により、セグメントの軽量化を図り経済性に優れています。
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WJセグメントにより、トンネルを切拡げる前に拡幅部セグメントを組み立てて閉合します。
このため、トンネルの変形と周辺地盤への沈下の影響を抑制し、安全に切拡げ施工を行います。 -
拡幅部セグメントは通常のセグメントと同様に水膨張シール材による高い止水性を確保できます。
施工手順の概要
シールドトンネル施工時に拡幅部覆工の接合箇所にWJセグメント(セグメントの外面側にウィングジョイントと呼ぶ凹部を有する)を配置します
拡幅掘削の完了後にWJセグメントの凹部の充填ピースを除去して、拡幅部セグメントを接合します
拡幅部セグメントを閉合した後に、中間部掘削とセグメント撤去を行い完了です

WJセグメント接合部詳細

切拡げ施工イメージ
中央環状品川線大橋連結路工事の例
施工手順
本線シールドと連結路シールドを左右離隔50cmで併設する
トンネル上下に拡幅セグメントを組み立てる(トンネル構造の安定性を確保する)
中間部の仮設セグメントを撤去して2本のトンネルを1本に拡幅する

中央環状品川線大橋連結路工事の概要

施工手順
施工状況写真

上半掘削

上半拡幅(アーチ)セグメント組立

中間部撤去
施工実績
工事名
発注者
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首都高速道路株式会社
開削部(山手通り支線部)
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延長55m×掘削幅13~22m、掘削深度29~33m
地上避難出口
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掘削深度約50m、掘削外径φ5.1m
シールド部(外径φ9.5m)
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上層トンネル延長500m/下層トンネル480m
分合流部(切拡げ部)
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上層トンネル210m/下層トンネル180m

WJセグメント仮組み検査状況

分岐部完成写真
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平成26年度 土木学会 技術賞 受賞
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第17回 国土技術開発賞 優秀賞 受賞