人にも犬にも優しい施設
盲導犬の里 富士ハーネス
富士山麓にある盲導犬の里 富士ハーネスは、盲導犬の訓練だけでなく、
分娩や引退後のケアまでを担う、盲導犬の一生をトータルにケアする施設だ。
さらに国内で唯一の常時見学可能な盲導犬訓練施設でもある。
そんな施設に込めた安藤ハザマの想いとは。
社会につながる盲導犬育成の拠点
盲導犬の里 富士ハーネスは2つの役割を持っている。
ひとつが、盲導犬の育成から訓練、そして引退後のケアまでを担うこと。もうひとつが、盲導犬の必要性を社会に訴えるための情報発信拠点となることである。
そのため施設内は、24時間365日稼働する育成現場のゾーンと、誰もが予約なしで訪れることのできる普及啓発ゾーンという、2つの異なる性格を融合させた構成となっている。盲導犬訓練センターとしては、非常に珍しい存在だ。盲導犬の訓練センターとしての機能を持ちつつも、誰もが予約なしで訪れることができ、盲導犬のデモンストレーションや生活の様子を見学できる“社会につながる施設”となっている。
施設全体に流れるやわらかな空気感
訓練中の犬、盲導犬ユーザー、見学に訪れる人々。
それぞれがストレスなく穏やかに過ごせるように、この施設は正方形の敷地の中にある複数の棟を回廊でつなぎ、その中心を二分する大通りのようなプロムナード(遊歩道)が貫いている。
この回廊とプロムナードによって、分娩親子棟・子犬棟・訓練犬棟・引退犬棟といった犬のための棟と、盲導犬ユーザーの訓練宿泊棟やラウンジなど人のための棟が、それぞれ独立しながらも、全体としてゆるやかに結び付けられている。
使う人・犬の立場から考え抜かれた工夫
施工条件は、ローコストかつランニングコストを抑えるという厳しいものであり、施工場所の気候条件も建築にとって決して穏やかとは言えなかった。
そのため、建物への影響や床材の耐久性、盲導犬が日常的に歩く環境への配慮など、多角的な視点から設計者とともに検討と実験を重ねていった。
その結果、木造と鉄骨造を融合させた構造の中に多くの工夫が施されている。床下の基礎梁を活用した配管ピットは将来の増築やメンテナンスに対応しやすく、引退犬棟のクッション性のある床材や各棟の床暖房は、盲導犬や盲導犬ユーザーの快適性に配慮したものだ。回廊を正方形とした点も、視覚障害のある利用者が空間を把握しやすくするための工夫である。
つながり、見守り、支え続ける
盲導犬の里 富士ハーネスの周囲には豊かな林を残しつつ、各種の式典にも対応できる芝生の広場も広がっている。
その環境を維持していくためには、定期的な手入れが欠かせない。安藤ハザマでは2006年の竣工以降も、ボランティアとして用地内の草刈りなどを継続的に実施している。
こうした関わりを続けることで、不具合に迅速に対応できる関係性が保たれるだけでなく、施工者として竣工後もこの場所の環境づくりに関わり続けることができている。「建てて終わり」ではなく、時間を重ねながら関係性を育て、安藤ハザマはつながり続けていく。
富士ハーネスからのメッセージ
訪れていただいた方に、「きれいな施設ですね」と褒めていただくことも多いです。
富士ハーネス越しに富士山も美しく見えますので、富士山周辺の散策の際に気軽に訪れていただき、盲導犬の活動について知ってもらえたら嬉しいです。
広報・コミュニケーション部
山本ありささん
問い合わせ先:日本盲導犬総合センター盲導犬の里 富士ハーネス
TEL:0544-29-1010(10:00~17:00) https://www.moudouken.net/fuji-harness/
【工事概要】
| 工事名 | 公益財団法人日本盲導犬協会(仮称)全国盲導犬総合育成訓練センター新築工事 |
|---|---|
| 発注者 | 公益財団法人日本盲導犬協会 |
| 構造 | 木造・鉄骨造、地上2階建て |
| 工期 | 2005年8月~2006年9月 |
今では当たり前になった
談合坂サービスエリア(上り線)の挑戦
東京方面に向かう中央自動車道の最後のサービスエリアであり、
中央自動車道でも最大級の規模を誇るのが談合坂サービスエリア(上り線)だ。
2000年に実施された、このサービスエリアの改築にも安藤ハザマは関わっている。
この改築プロジェクトを率いた、当時の作業所長である酒井喜壽は25年前の舞台裏を振り返った。
画期的で先進的なレイアウト
談合坂サービスエリアの2000年から2001年にかけての改築プロジェクトは、当時としては、画期的かつ、挑戦的な試みでした。
混雑を極めていたクルマの流れを分散させることを目的に、大型車用と小型車用の駐車場を分け、その間に施設を挟むという配置です。当時として、“今後のモデルケースになる”と想定された作りであり、私も未経験、未知数なことの多いプロジェクトでした。それでも参画する複数の施工会社の取りまとめを任され、先頭に立って施工をすすめていきました。
水道も電気もない、シビアな現場
現場は切り開かれたばかりの土地に新しくサービスエリアを作ることになったので、水道も電気も整っていません。同時に行われていた水道と電気の工事が完了するまでは、近くの川から水をひき、発電機を持ち込んで対応しました。今考えれば、非常にシビアな現場ですね。
当時の最先端「ユニバーサルデザイン」
施設全体のコンセプトがユニバーサルデザインであったため、当時まだ国内で製造されていなかったトイレブースをアメリカから輸入するなど、建材にもこだわりました。天井の一部をガラス張りにして自然光を取り入れたり、いろいろな苦労をしながら、なんとか竣工にこぎつけられたと記憶しています。
今はいち利用者として談合坂サービスエリア(上り線)を使っていますが、立ち寄るたびに、多くの方に利用されていると実感でき、毎回、誇りに感じています。
【工事概要】
| 工事名 | 中央自動車道(改築)、談合坂SA(上り線)休憩施設 |
|---|---|
| 発注者 | 日本道路公団 東京建設局(施工当時) |
| 工期 | 2000年3月~2001年3月 |
富士山周遊グルメドライブ紀行
日本各地の優れた食と安藤ハザマの仕事をグルメドライブでつなぐ。
手がけてきた施工実績は人々に親しまれながら、地域の暮らしとともに時を重ねていく。
1978年創刊の自動車情報誌『CAR and DRIVER(カー・アンド・ドライバー)』とともに、
その周辺エリアで楽しめる絶品グルメや立ち寄りスポットを巡るドライブプランを紹介しよう。

大切な友人やパートナーと共に出かけ、日本全国にある優れた「食」との出会いは、
あなたの人生の彩りをより豊かにしてくれる。今回は、富士宮グルメを紹介するとともに、
霊峰富士を眺めつつ走れるドライブ・プランを提案しよう。
豊かな⾃然が育んだ⾃慢の⾷材と⾷事
富士宮エリアで、とっておきの優食を楽しもうというのであれば、LYB(ルイビ)豚(ブタ)で決まりだ。富士の豚博士と呼ばれる生産者の熱意が生み出した、地元自慢のブランド豚である。生産量の少なさから地元でほとんどが消費される、まさに幻の食材と言えよう。最大の特徴は、脂身の融点が通常よりも圧倒的に低い、約32.5度であることだ。地元で人気のカジュアルダイニングF’ s Marché で、“ルイビ豚と富士宮産野菜のグリル”(2365円)を試してみれば、その美味しさに驚いた。肉の甘みが強いのに、後味が軽い。カリっと表面を炙った調理の腕も極上だ。旅の目的にかなう、絶品の優食といえる。
Pick up
Fʼs Marshe
富士宮のカジュアルダイニングF’s Marché。オーナーシェフ坪井直輝さんと和穂さん夫妻が切り盛りするアットホームなお店。夜はフルコース(1人前7150円)とセレクトコース(1人前4950円~)が人気。アラカルトもOK。LYB豚希望なら予約がお勧め
また、もう少し簡単な富士宮の優食となるのが富士宮焼きそば。そして、富士山麓の牧場の牛乳を使ったソフトクリーム。こちらの2つは、あちこちの観光スポットでも取り扱っている。B級だが、どちらも、あなどれない美味しさ。ぜひともご賞味あれ。
Pick up
お宮横丁
富士宮の富士山本宮浅間大社の参道正面にある“お宮横丁”。地元の人気B級グルメである富士宮やきそばや、ソフトクリームなどを販売する店が並び、テーブルも用意されている。言ってみれば野外フードコートだ。近隣の有料駐車場にクルマを停めて、お腹を満たしに寄ろう
富⼠⼭本宮浅間⼤社
富士山の伏流水をたたえた富士山本宮浅間大社の湧玉池。国の特別天然記念物に指定される平成の名水百選のひとつ。“ 掬水”からも、この美しい池を望める
宿泊するなら、おすすめが掬水(きくすい)だ。全国にある浅間神宮の総本宮となる富士山本宮浅間大社に隣接する、たった4室のこだわりの宿。富士山を鎮める神社の隣の宿で、心と体を休めよう。
潤沢な伏流水が生み出す美しい富士山麓を楽しむ
富士山は、山として実にユニークだ。世界を見渡しても、これほど高い山が単独で存在する(独立峰)事例は少ない。世界最高峰レベルのエベレストも、西欧州最高峰のモンブラン、そして北米最高峰のデナリも、すべて山脈の中のひとつ。富士山のような独立峰は少数派なのだ。だからこそ、富士山は霊峰として崇められるし、周囲の自然も独特なものになる。
最大の特徴は、富士五湖に象徴されるような水の豊富さだ。富士山の周辺の土地は、火山灰による土壌が何層にも重なっており、その間を雨水が伏流水となって伝わり、そして湧き出てくるのだ。
そのため富士周辺のドライブは、おのずと水を求める道程となる。山中湖や河口湖といった有名どころの近くには、朝日丘湖畔緑地公園やふじさんミュージアムなど、観光スポットが数多く用意されている。精進湖の静かさも魅力的だ。鳴沢氷穴で野趣あふれる自然に触れるのもいい。そして、富士の伏流水を目の当たりにできる白糸の滝も満足感が高い。
また、富士山は独立峰のため、周りを巡るルートも単純だ。富士山を中心に右に回るか、左に回るかしか選択肢がないからだ。そして、富士山の裾野に広がる観光スポットは、意外なまでにそれぞれが近い。そのため、ひとつずつゆったりと巡っても、一日でカバーできる。
精進湖を起点に考えて各地を訪れ、中央道から談合坂SA経由で都心部に帰るのもいいし、東名高速を利用するのもいい。このフレキシブルさが、富士山ドライブの魅力なのだ。
Pick up
富士山の伏流水が高さ約20m、幅約150mにわたって湧出する白糸ノ滝。公園として整備されている
富士山麓の代表的な溶岩洞窟のひとつが鳴沢氷穴だ。内部の気温は平均3度で1年を通して氷柱を楽しめる
紅葉の名所としても知られる朝日丘湖畔緑地公園。山中湖越しに富士山の雄姿が堪能できる
富士山の魅力を紹介する、ふじさんミュージアム・富士吉田市歴史民俗博物館。美しいVRシアターが人気
Drive MAP
富士山の南にある富士宮市を起点に、ぐるりと富士山を右手に見ながら北上していくドライブコースだ。起点となる富士宮市内から、中央道の富士吉田ICまで50㎞弱ほど。ゆっくりと名所を散策しても一日で悠々周遊できる。
Ⓐ富⼠ハーネスでは開館⽇に、盲導⽝のデモンストレーションが実施されている
Ⓑ⽩⽷の滝は幅約150mにわたって無数の滝が落差約20mの荘厳な光景を⾒せる
Ⓒ富⼠⼭本宮浅間⼤社は駿河国⼀宮として朝廷や武⼠からの尊崇を集めた
Ⓓお宮横丁は富⼠宮やきそばやジェラートなどご当地の名物グルメが楽しめる
Ⓔ掬⽔は浅間⼤社に隣接するこだわりのお宿。客室は4室で、洗練のおもてなしを提供
ⒻカジュアルダイニングF’s Marcheは地元の⾷材にこだわった⻄洋料理店として⼈気
Ⓖ精進湖は“富⼠⼭が最も美しく眺められる場所”とも評価される⼈気スポット
Ⓗ鳴沢氷⽳は全⻑約150mの溶岩洞窟。年間を通じて洞窟内の気温は3度程度
Ⓘふじさんミュージアムは360度+床⾯に広がるVRシアターで富⼠⼭の絶景が楽しめる
Ⓙ中央道経由での⾏き帰りに便利な休憩スポットとなるのが談合坂SAだ
問い合わせ先 Ⓐ富⼠ハーネス∕☎0544-29-1010 Ⓑ⽩⽷の滝∕☎0544-27-5240 ©富⼠⼭本宮浅間神社∕☎0544-27-2002 Ⓓお宮横丁∕静岡県富⼠宮市宮町4-23-23 Ⓔ掬⽔∕☎0544-26-3456 ⒻカジュアルダイニングF’s Marche∕☎0544-66-8909 Ⓖ精進湖∕精進湖観光協会(https://shojiko-kanko.com/) Ⓗ鳴沢氷⽳∕☎0555-85-2301 Ⓘふじさんミュージアム 富⼠吉⽥市歴史⺠族博物館∕⼭梨県富⼠吉⽥市上吉⽥東七丁⽬27番1号 Ⓙ談合坂サービスエリア(上り)∕☎0554-66-3734
【コンテンツ提供】CAR and DRIVER(株式会社カー・アンド・ドライバー)
※ このページは2026年1月時点の情報を元に構成しています。