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昭和5(1930)年に旧国宝に指定された名古屋城本丸御殿は、昭和20(1945)年の空襲によって焼失し、永らく復元が待ち望まれていました。幸いにも、江戸期の文献や明治・昭和期の写真、実測図などが数多く残されており、さらに多くの市民からの寄付も集まり、平成21(2009)年から伝統工法を用いた復元工事を開始し、9年を掛けて平成30(2018)年に完成しました。
復元工事では、大工や石工、左官、金工など現代の職人たちを参集し、工事の大部分が彼らの手仕事によって進められました。
伝統工法を用いた大規模な木造建築物の築造が減少する中で、これまで継承されてきた伝統の技法が失われつつあります。緻密かつ正確な職人仕事は、一度途絶えると復活させるのが難しいといわれています。復元工事は匠の伝統技術や技法を披露するとともに、先人の知恵や技を学ぶ貴重な機会でもありました。また、見学通路を設けるなど復元過程を広く公開しました。本丸御殿の復元プロジェクトは、匠の技法を未来へ継承する場ともなったのです。
所在地 | 愛知県名古屋市 |
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発注者 | 愛知県名古屋市 |
設計・コンサルタント | 名古屋市住宅都市局営繕部営繕課 <設計協力/共同監理> 公益財団法人 文化財建造物保存技術協会 |
竣工年 | 2018年 |
概要 | W造 地上1階 全12棟 延床3,103㎡ こけら葺き(一部本瓦葺き)、土壁漆喰塗り仕上げ |
プロジェクトストーリー
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